社会保険の適用事業所|社保の加入を選択できる場合があります

総務

社会保険の適用事業所(てきようじぎょうしょ)という言葉をご存じでしょうか。あまり聞きなれない言葉かもしれません。

かんたんに言うと、社会保険(健康保険と厚生年金保険)に加入すべき事業所であれば「適用事業所」となります。つまり、従業員を雇用していて、通常の事業を営んでいる一般的は会社は、そのほとんどが、社会保険の「適用事業所」に該当しているといっても過言ではありません。

しかしながら、要件によっては、社会保険の適用事業所とならない場合、また社会保険の適用事業所になるかどうかを選択できる場合があります。

そこで今回は、社会保険の適用事業所とは何か、社会保険の適用事業所に該当するための要件、判定方法などの基本的な概要について具体的にご紹介していきます。

社会保険の適用事業所|基本的な概要について

社会保険と聞くと、事業を営むすべての事業者が加入していると思われがちですが、実は、必ず加入しなければならない「強制適用事業所」と、加入しても加入しなくてもどちらかを選択できる「任意適用事業所」この2種類に分けられます。

具体的な分類を図にしてみました。下図をご覧ください。

上記の図から読み取れるポイントは次の通りです。

  • 法人事業所の場合は、人数や業種に関係なく強制的に健康保険・厚生年金保険の適用事業所となります。➡「社会保険の強制適用事業所」
  • 個人事業所の場合は、一般の事業所であれば、従業員が5人以上で強制適用、5人未満で任意適用となります。また、個人事業で農林水産業や飲食店など一部の業種では人数に関係なく任意適用です。➡「社会保険の任意適用事業所」

では、この社会保険の「強制適用事業所」と「任意適用事業所」について、もう少し深堀りしていきましょう。

社会保険の適用事業所|強制適用

強制適用事業所とは、その名の通り、事業主や社員の意思にかかわらず、強制的に社会保険に加入する事を義務付けられた事業所のことです。

強制適用になる事業所は次の通りです。

  1. 国、地方公共団体、又は法人の事業所であって、常時従業員を使用するもの
  2. 個人経営である適用業種の事業の事業所であって、常時5人以上の従業員を使用するもの(※厚生年金保険については、船舶も適用事業所として扱われます)

法人の場合

法人とは、いわゆる株式会社、有限会社、合同会社、社団法人、財団法人などあらゆる法人が該当します。

常時従業員を使用するとありますが、仮に社長1人の会社で社員がいなかったとしても、法人から労働の対価として報酬を受ける限りは社長も「従業員」とみなされるので、強制適用事業となります。

個人の場合

個人事業で従業員が5名以上雇用している場合は強制適用事業所となります。

ちなみに、5人以上とは、正社員の数ではなく、その事業所で働くすべての人の数です。したがって、社会保険の被保険者に該当する正社員が4名で、社会保険の被保険者に該当しないパートさんが2名だとしても、適用事業所の判定をする際には全員合計した6名が対象人数となります。

社会保険の適用事業所|任意適用

任意適用事業所とは、社会保険の強制適用にならない事業所ですが、従業員の同意を得たうえで、厚生労働大臣の認可を受ければ適用事業所となることができる事業所のことです。

最初に説明した通り、社会保険の適用事業所を任意に選択できるという事になります。

任意適用事業所が、社会保険の適用事業となるためにに必要な要件は次の通りです。

  1. 事業所に使用される者(被保険者のなるべき者に限る)の2分1以上の同意があること
  2. 事業主が申請をして厚生労働大臣の認可を受ける事

2分の1以上の同意が必要なのは「社会保険の被保険者に該当する人のうち」という要件になりますので、強制適用事業所の個人の場合でご説明した「社会保険の被保険者に該当しないパートさんなどの人数を頭数に入れた計算方法」とは異なります。

任意適用事業所が社会保険の適用事業所となるための「同意」には、社会保険の対象となる就業実態の正社員などに該当する人のみを頭数として、そのなかでの「2分の1以上の同意」を得る、という作業となります。

したがって、社会保険の被保険者に該当する正社員が4名で、社会保険の被保険者に該当しないパートさんが2名の場合、正社員4名のうちの2分の1以上の同意が必要という意味となります。

社会保険の適用事業所|まとめ

社会保険の適用事業所に該当するかどうかは

  • 「会社」か「個人」か
  • 働く従業員の数が何名か
  • 社会保険の被保険者に該当する社員かどうかの判定

以上のようなポイントをおさえて判定していくことになります。

事業を始めようとお考えのあなた、社会保険の適用事業についての不安があるときには、所轄の年金事務所で無料の相談をおこなっています。そのパンフレットのリンクをお知らせしますので、参考にしてみてください。

引用:日本年金機構「社会保険の加入についてのご案内」(PDF)