会社を退職した後に、その会社で雇用保険に加入していた場合に「失業給付金」を受け取ることができます。
そんな「失業給付」ですが、自己都合による退職の場合、その給付金を受け取ることができるのが、これまでは退職後「3か月経過後」からでした。
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つまり、退職してもそのあと即日に失業給付金を受け取ることができる訳ではなく、最低3か月程度は待っていないと失業給付金を受けられませんでした。
この失業給付制限期間を3か月とする制度ですが、令和2年10月から変更になりました。
今回は、この失業給付の変更についてご紹介します。
失業給付|給付までの制限期間が「2ヶ月」に短縮
まず結論です。
これまで「3か月」だった失業給付までの制限期間は、令和2年10月以降「2か月」に短縮されます。
つまり、離職日(りしょくび=退職した日)が令和2年10月1日以降の人で、自己都合により退職した場合において、これまで「3か月」だった待機期間を「2か月」とする、ということに変更されました。
失業給付|退職者にとって期間の短縮はメリット!
単純に考えて、「3か月」から「2か月」に変更されることによって、退職後の失業給付がこれまでより1か月も早く受けられるという事は、退職者にとっては間違いなくメリットです。
私は以前の記事の中で、自己都合による退職を考える場合は失業給付を受けられるまで3か月の制限期間があるので
「少なくとも3か月は普通に生活できる程度の貯蓄をしてから退職すること」
を勧めていますが、これが2ヶ月分の貯えだけで良くなることになります。
これによって退職前の負担がかなり減少します。
したがって、これまでよりも退職者にとってメリットのある制度変更です。
しかしながら、誰でも無条件に2か月に短縮されたわけではありませんので注意が必要です。
失業給付|条件がちょっと複雑です
「2ヶ月」に短縮された失業給付の制度ですが、その制度の内容には、いろいろな条件が付いていますので、ちょっと整理してみます。
自己都合退職であること
大前提は「自己都合」退職であることです。自己都合とはつまり「一身上の都合」です。
離職日が令和2年10月1日以降であること
令和2年9月30日以前に自己都合による退職をされている場合は、今回の給付制限期間の対象外です。
あなたの過失で退職せざるを得なくなった場合は対象外
「自己の責めに帰すべき重大な理由で退職された方の給付制限期間はこれまで通り3か月」
とされています。
向こう5年の間で2回まで
向こう5年間(令和2年10月1日から5年間)のうちに、自己都合による退職で2回までです。
給付制限期間2ヶ月は、向こう5年間の間で2回までの退職には適用されますが、3回目以降の自己都合退職についてはこれまで通り3か月となります。
失業給付|参考資料
ご参考までに、厚生労働省のホームページと、公開されているリーフレットをご紹介します。