事務屋さんブログ管理人イサムです。私はこれまで2回の退職経験があります。
1度目の退職が「会社都合」、2度目の退職が「自己都合」でした。
そんな私の経験談も少しふまえつつ「退職」にまつわるお話をご紹介します。
退職|会社都合退職とは
会社都合退職とは会社の都合で退職することを意味します。
※通常会社には「就業規則」というその会社のルールブックのようなものがあり、その中に「懲戒処分の対象となる問題を起こした場合には解雇とする」という内容が定めれれている場合があります。会社が規定する懲戒処分に該当するような問題を起こしたことがきっかけでの「解雇」は「自己都合退職」という扱いになります。
退職|自己都合退職とは
自己都合退職とは、自分の都合で退職することをいいます。
いわゆるよくある「一身上の都合」という退職理由の場合が「自己都合退職」です。
退職|会社都合退職と自己都合退職の違い
失業給付の違い
一番大きな違いは「失業給付」に関する違いです。
失業給付とは
給料の控除項目(給料から差し引かれる分)に「雇用保険料」という項目があると思います。
これは雇用保険に加入していることを意味していますが、雇用保険に加入していることによって、その会社を退職後に1日あたり6000円~8000円程度、失業給付金を受け取ることができる制度のことを失業給付といいます。(退職から直近半年間の月給の50~80%の失業給付金)
失業給付金の内容は「自己都合退職」か「会社都合退職」かによって違ってきます。
項目 | 会社都合 | 自己都合 |
失業給付 支給開始日 | 最短7日後 | 2か月7日後 ※2020年10月1日以降に退職した人で5年間で2回の退職までは「2カ月」 3回目以降は「3か月」 |
失業給付 日数 | 90~330日 | 90~150日 |
失業給付 最大支給額 | 約280万円 | 約127万円 |
国民健康保険 | 最長2年間軽減 | 通常納付 |
比べてみると「会社都合」パターンのほうが失業給付の内容が手厚いです。
特に「支給開始日」は、会社都合の場合は最短で退職後7日で給付開始するの対して、自己都合の場合は最低でも「2か月」経過しなければ失業給付を受けられません。
したがって、次の転職先が決まっていない状態での自己都合退職の場合、退職から2ヶ月間は全くの「無収入」となってしまいます。(その期間生活できるだけの貯蓄は残したうえで退職するのがベストです)
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会社都合と自己都合の「退職理由」
転職の面接の際に必ず聞かれるのが「退職理由」です。
「会社都合退職」の場合だと、なぜ会社都合となったのか(解雇なのかどうか)経緯、理由、内容について聞かれるでしょう。管理人も1度目の転職が「会社都合退職」後の転職活動でしたので、前職について詳しく内容を聞かれたことを覚えています。
「自己都合退職」は通常「一身上の都合」で退職することが多いので、退職に至った理由を明確にしておくことが大事です。転職の回数が異常に多かったり、前職の在職期間が極端に短かったりすると、履歴書の職歴欄が悪い意味で「目立って」しまうので、その場合は退職理由を詳しく追及される事もあるかもしれません。(短すぎる職歴は思い切って省略する、というのも一つの方法だと思います)
いずれにしても、転職の際に一番のポイントとなるのは「退職理由」ですから、確実に回答できるよう十分準備しておくことが重要です。
退職|冷静に、計画的に
「退職は冷静・計画的に」私の経験から言えるのはこの言葉です。
退職に際して「感情的」になってしまうことがあります。
感情的になると、退職手続がスムーズに進まないだけでなく、自分にとってマイナスとなるような状況が生まれる可能性もありますから、退職を考えるときはまず落ち着いてください。ひと呼吸おいて、退職までのスケジュールをしっかり計画立てて冷静に進めましょう。
退職までにしておいた方がよい準備についていくつかご紹介します。
就業規則を確認
まずは自社の「就業規則」を確認しましょう。法律的はいつ退職を申し出ても問題ないという事になっていますが、会社の就業規則には、退職に関する条項があり、そこにあなたの会社独自の「退職するための基本的なルール」が記載されています。
たとえば、退職の意思は「いつまで」に「だれに」申し出なければならない、などの内容が記載されているはずです。退職は就業規則のルールに従って進めましょう。
1~3カ月前には退職の意思表示をする
法律上では、退職の意思表示をしてから「2週間後」には退職できることになっていますが、スムーズに退職手続きを進めるために後任への引き継ぎ業務などが発生しますので、少なくとも、退職の1~3カ月くらい前までには退職の意思表示をしておくのがベターです。
有給休暇の確認
有給休暇が何日残っているのかを把握しましょう。
退職予定日を設定し、逆算して無理なく有給休暇を全消化できるよう計画を練ります。有給休暇の取得は、他の社員との兼ね合いもあるでしょうから、あまりに退職の直前になってからの有給申請では認めてもらいない可能性があります。無理なく有給を全て消化できるような計画を立てておくのがベストです。
きっちり全て消化しきって退職しましょう。
退職届の準備
退職届には、以下の内容を記載しましょう。
退職|補足的なアドバイス
ここでは、必ずというわけでは無いものの、退職や転職のときに利用すると便利な外部のサービスについて少しご紹介します。
転職エージェントへの登録
退職前に求人雑誌やハローワークの求人を見て転職先を探すことがあると思いますが「転職エージェント」へ登録してみる、という方法もあります。
「自分で求人を探して応募する」というものではなく「あなたの希望に添った求人を紹介してもらえる」というサービスです。※退職後の登録より在職中の登録のほうが効果的
スキルや職歴、希望の業種などを登録することで、エージェントがあなたの現在価値に見合う企業を紹介してくれます。紹介を受けても必ず転職しなければならないという事ではありません。紹介を受けた企業と、あなたが今勤めている企業で、何がどう違うのかを比較できることが一番のメリットです。
その比較によって、転職したほうがいいのか、あるいは今の会社で働き続けた方がいいのか、言葉は悪いですが「どっちが得」なのか判断できます。
例えば、あなたの希望する「年収」があったとして、その希望に見合う企業に採用されるには、今あなたが持っているスキルでは足りない、という事がわかれば、そのスキルを今の会社で働きながら身に付けて、その後転職する、という使い方もできます。無駄なく効率的なステップアップが可能になります。
退職代行サービスの利用
退職は、場合によっては思い通りに進まない可能性もあります。スムーズに退職手続きが進められず消耗してしまっているそんなあなたには「退職代行サービス」の利用が選択肢の一つとして挙げられます。
いくつか退職代行サービスをご紹介します。
法律事務所の退職代行サービスです。法律事務所が行う退職代行サービスですので、法律的に解決してくれて間違いありません。またグループに社労士も在籍しているので、労災申請などの複雑な案件も対応可能です。
その名の通り、男性の退職代行に特化した、男性特有の悩みに寄り添ったサービスです。相談無料なので一度相談してみる価値ありです。
一方コチラは女性限定の退職代行サービスです。上記同様に相談無料ですから、悩んでいるくらいなら思い切って相談してみては。
退職|まとめ
管理人は以前、病気がきっかけで仕事を続けていく事が困難になり退職しました。
当時は、病気のことで頭がいっぱいになってしまい、退職までの十分な準備期間を取ることなく、とにかく治療に専念するために早く退職しなければ、という一心で退職まで突き進んでしまいました。その時はかなりの仕事量をこなしていたことから、後任への業務引き継ぎに3ヶ月以上かかり、病気によるショックで疲弊しているところに、大量の引き継ぎ業務の負担も重なり、最後の最後までガッツリ消耗しました。残っていた有給休暇を1日も消化することなく退職することになりました。
今はかなり回復していますが、当時は回復するかどうかもわからない状況で、かなり気持ちが焦っていたので、今になって思うのは「せめて有給くらい消化してから退職すれば」とか「もう少し落ち着いていれば」と当時のことを後悔しています。やっぱり大切なのは「冷静でいること」「計画的にすすめること」なんですよね。
そんな苦い思い出があるので、退職を考えているあなたには、消耗せずにスムーズに退職してもらいたいと願っています。自己都合退職と会社都合退職の違いを事前に把握し、今すぐ退職を検討しているわけではないあなたも、知っておいて損はありませんので、ぜひこの内容を今後にご活用ください。