社会保険の資格取得|従業員を採用したとき

総務

新しい従業員が入社したときに必要となるのが、社会保険の「資格取得」という手続きです。

  • 会社の役員の場合 ➡ 社会保険のみ
  • 一般的な従業員の場合 ➡ 社会保険と雇用保険
  • パート・アルバイトの場合 ➡ 雇用保険のみ(要件によって社会保険も対象)

今回は、この中の「社会保険」の手続きについてご紹介します。

社会保険の資格取得|概要

社会保険の「資格取得」という業務は、一般的には、新卒採用が集中する「4月の年度初め」に発生することの多いものですが、最近では働き方の選択肢が増え、中途採用活動も活発に行われていますから、4月に限らず、1年中いつでも採用の機会があるため、社会保険の資格取得手続きについても常に準備しておくとよいでしょう。

今回は、社会保険の手続の中で、新しく従業員を雇い入れたときに発生するそんな社会保険の資格取得手続きについてご紹介します。

社会保険の資格取得手続きとは、かんたんに言うと、雇い入れた従業員の「保険証」を発行すべく、健康保険と厚生年金保険の資格を取得するための手続きです。

その手続きのためには所管する健康保険組合や日本年金機構の事務センターへ「被保険者資格取得届」という書類を作成して提出します。

こちらがその資格取得届用紙です。

引用:日本年金機構 健康保険・厚生年金保険料の被保険者資格取得届

この用紙には、事業所の整理記号、番号、社会保険に加入する従業員の氏名、資格取得年月日、マイナンバー、給料の金額から算出される報酬月額…、などを記載して提出することになっています。

ちなみに、原則的には従業員を雇い入れてから5日以内に資格取得届を提出することとされています。割と提出期限が短いので、従業員の入社後、スムーズに提出手続きが出来るよう事前準備が大切です。

社会保険の資格取得|必要事項ポイントまとめ

最も大事な要件は、まずその事業所が社会保険の「適用事業所」であるかどうかです。

そして、適用事業所であって、常に勤務する、いわゆる常用勤務の従業員かどうか、以上2点が、社会保険の資格取得するための大前提となります。

一般的には、従業員を雇用して、通常の事業を行う会社・事業所であれば、そのほとんどが社会保険の適用事業所となります。そして、その会社に一般的な正社員として入社する場合は、無条件に社会保険の被保険者となる従業員に該当するでしょう。

被保険者とは ~ 社会保険(健康保険や厚生年金保険)に加入して必要な給付を受けることができる人のことをいいます。社会保険だけでなく、生命保険などでも同様の意味で使われる言葉です。

では、少し深掘りします。

常勤の正社員が社会保険の被保険者に該当するのはもちろんなのですが、必ずしも、雇用契約で正社員としての資格があるということにとどまらず、実は、パートやアルバイトや、試用期間中であっても、次の要件に該当すれば、社会保険の被保険者となります。

パートやアルバイトで社会保険の被保険者に該当する要件

ポイントは次の通りです。

  • パートやアルバイトでも、会社と常用的使用関係にあるかどうか
  • 1週間の所定労働時間および1カ月の所定労働日数が、その会社の一般社員の4分の3以上である場合
  • 4分の3未満であっても、次の要件全てを満たす場合
  1. 週の所定労働時間が20時間以上
  2. 雇用期間が1年以上見込まれる
  3. 賃金の月額が8.8万円以上
  4. 学生でない
  5. 常時501人以上の企業(特定適用事業所)または500人以下であっても労使の合意のある企業(任意特定適用事業所)に勤めている

社会保険の資格取得|資格取得後の流れ

資格取得届を提出すると、その該当従業員の「標準報酬月額」が決定されます。

標準報酬月額とは、従業員の社会保険料がいくらになるかを算定するために必要な基準値です。下記の社会保険の料率表を見てみましょう。

新たに採用した従業員の給料が20万円だった場合で確認していきます。

①まず、この表の「報酬月額」という欄をみて、20万円が該当する箇所を探します。

②すると、195,000~210,000 という欄がありますね。月の給料が20万円の場合、この欄に該当することになります。

③あとは、その欄を横にスライドさせて、金額を確認するだけです。ちなみに、この場合は、健康保険料が全額で19,740円、折半額9,870円、厚生年金保険料の全額が36,600円で折半額が18,300円という事がわかります。

④さらに、等級が「17(14)等級」という事も確認しておきましょう。(健康保険が17等級で厚生年金保険が14等級という意味です)

★社会保険の「折半(せっぱん)額」とは

「折半」とは「半分に分ける」という意味です。

社会保険料は「会社側」と「従業員側」で半分ずつ負担する仕組みとなっています。

健康保険や厚生年金保険料は、通常毎月の給料から天引きさています。その天引きされている金額が「折半額」なのです。

給料から天引きする健康保険料と厚生年金保険料を、会社が一旦預かり状態とします。そして、会社が負担するもう一つの「折半額」と合わせて「全額」を納付する、という仕組みです。

上記例でいうと

  • あなたの給料から健康保険が9,870円、厚生年金保険料が18,300円、合計28,170円が天引きさて会社が一旦預かります。
  • 会社も同額 9,870円+18,300円=28,170円を負担します。
  • あなたから預かった28,170円と会社が負担する28,170円を合わせて「56,340円」を納付

という流れです。