「請求書」とは、取引相手先に対して、提供した商品やサービスに対する代金の支払いを求める書類です。商取引の中の最終段階に登場する書類であり、非常に重要な書類です。
通常は取引先に対して商品やサービスの納品が完了したあと、または検収書を受領したあとのタイミングで発行・送付します。
それでは、深掘りしていきます。
請求書|基本と概要
請求書(せいきゅうしょ)とは、商品やサービスなどを提供した側が、提供先に対してその代金の支払いを求める目的で作成・発行する書類です。
通常は毎月1回、決められた締日にて発行・送付します。
自社の締日でまとめて請求書を発行する場合もあれば、取引先の締日に合わせて発行する場合パターンもあり、それぞれの会社によってやりやすい方法を選択可能です。
請求の方法には大きく2種類あります。
「掛請求」または「締め請求」
ひとつは「掛(かけ)請求」又は「締め(しめ)請求」と呼ばれる、1カ月単位、締日基準で発行する方法です。
毎月、またはそれに近い頻度で継続した取引があり、信用がある相手先に対してはこの方法で請求書を発行します。
「掛け」という名がついている通り、通常は請求書発行・送付後、翌月や翌々月に入金されるといういわゆる「掛け取引」が基本となります。
「都度(つど)請求」
もうひとつは、新しく取引を始めたばかりの相手先や、スポット的に、その時だけ発生するような相手に対する請求の場合には「都度請求」と呼ばれる、取引の発生と同時に請求書も発行するという方法です。
スポット的な場合は、納品と同時に請求及び入金も同時に行う「現金引換え」という場合もある請求方法です。
請求書|役割
請求書発行における最も重要な役割は、最初にもご説明しましたが、代金の支払いを取引先へ求めるための書類、としての役割です。
したがって、請求書の内容誤りや、発行忘れ、出し忘れには一番注意を払いたいところです。
本来、請求書のミスは、あってはならない事なのですが、金額の入力漏れや、請求書そのものの出力もれ、請求出し忘れが発生する事があります。
請求書の出し忘れは、取引相手先へ請求書が届いていない事になりますから、その請求代金が、支払われる事がなく、そのままになってしまうという点に注意しなければなりません。
請求書の出し忘れに気づかなければ、その代金は二度と支払われることはないかもしれません。
親切な取引先であれば、請求書が届いていない事を連絡してきてくれる場合もあるかもしれません。しかし、通常は手元に届いた請求書を見ながらの支払作業が基本となるでしょうから、その取引先企業が支払日を迎えて、支払担当部署の手元に請求書が届いていなければ、その支払が実行される可能性はかなり低いでしょう。
こうした「出し忘れ」というミスは、実務では意外と起こりやすく、業務に与える影響が大きいので、請求書発行ルールを徹底し、社内でのチェック体制を整えるなどの対策を講じて、ミスが起きる確率を限りなくゼロにできるような社内体制の構築が必要です。
請求担当1人に全て任せるのではなく、複数人でチェックするような体制づくりが最低限必要ではないでしょうか。
管理人としては、請求書の発行・管理は、請求専用のシステムを導入した方が良いと考えています。
取引数が少ないうちは、手書きによる請求書発行、エクセルなどの表計算ツールなどで簡易的に作成するといったやり方でも管理可能とは思いますが、徐々に取引が増えていくと、いずれ管理の限界を迎えます。
請求書の出し忘れ以外にも、単純な記入誤りや、金額誤り、誤字脱字、エクセルの計算式ミス、うっかり請求書そのものを全部削除してしまう、などのような、色々なミスの状況が想定されます。
そういったミスを最小限に抑えるためには、やはり、請求書などの商取引に必要な書類を発行するための専用システムを導入して作成する方法を採用するのが一番だと思います。
クラウドデータで管理
請求書で最も簡単なのは、クラウド型での管理です。オススメはこの3つです。
クラウド請求書・見積書・納品書管理サービス Misoca(みそか) ※管理人イチオシ
ちなみに管理人はこのミソカを利用しています。請求書のレイアウトパターン・色なども選べますし、請求書に印字する会社の角印も、画像データで取り込めばそのままレイアウトされ印刷可能です。
発行枚数や利用頻度によっては「無料」でずっと使えます。
パッケージタイプ
パッケージ版ですと、弥生さんのこのタイプがオススメです。
上記で紹介したシステムは、どれも法令に準拠した内容のとても使いやすいシステムです。消費税の改正にも対応し、継続的なシステムアップデートなども実行され、常に最新の状態でシステムを利用できると思いますので、あなたも是非、なにかひとつ、無料で使えるものでもいいので、試してみる事をお勧めします。
請求書を手書や表計算ツールで自作するよりはるかに楽で間違いも少なくて、管理も安心です。
だいたいのシステムは、入力の時に金額や数量さえ間違えなければ、計算も発行も全てシステムがやってくれますから、請求書発行における事務負担が減り、その結果単純なミスが防げるようになり、請求書発行業務が効率的になり、そこで生まれた余裕がその他の業務にもいい影響を及ぼし、結果的に会社全体の事務処理が効率化するでしょう。
請求書|入金がない場合の対処
事業を営んでいく中で、取引先から約束の期日に請求通りの金額が入金されない、という状況が残念ながら発生する事があります。理由は様々ですが、その際の対処法について、いくつかご紹介します。
そもそも請求書を送ったかどうか確認
まずは自社で請求書を相手へ送ったのかどうかを確認します。
相手に請求書が届いていなければ支払ってもらえませんからここはまず第一に確認しましょう。確認する方法は、自社で控えている請求書の写しがまずあるかどうか、そしてその請求書を郵送した場合は、郵送時に同封する書類送付案内の控えなどで確認できます。
これらの控えは確認のために必ず残しておくようにしましょう。
相手が請求書の見落とし、または支払期限を間違えていないか
自社にて請求書の送付確認ができたら、相手先へ連絡しましょう。
相手が届いた請求書を見落としている場合や、支払期日を勘違いしている場合もありますので、お互いのためにも連絡して確認しましょう。
相手の都合で支払遅延(事前連絡有り)
取引先から、資金繰りの都合などで全額の支払いが難しい、という連絡が事前にあった場合です。
こういったときは、取引先との相談の上、例えば支払の方法を一時的に変更したり1回あたりの金額を少なくしたり、支払期限を少し延ばすなど、相手の負担を軽減しながら回収するという対応が可能です。
相手に支払の意思がない(連絡がつかない)
相手に連絡しても出ない、支払の意思が無い、というような相手に誠意が見られなければ、請求書を内容証明郵便として送付したり、裁判所を介して督促を通知したりなどの法的な方法によるのが一般的です。
ここまできたら、弁護士さんなどの専門家に相談しましょう。
取引にはお互いの信頼関係が重要ですが、時に、こういった残念な状況が発生してしまう事も実際には起こりえますので、対応する方法の参考としてご活用いただければと思います。
請求書|形式や具体的な作成方法
- 請求先宛名 ~ 請求書を送付する相手先名称(様や御中を忘れずに)
- 請求者名 ~ 請求書を発行する自社名称、住所、電話、FAX及び角印
- 作成年月日 ~ 請求書を作成した日付を記載(請求締日を記載する場合が多いでしょう)
- 繰越金額 ~ 前月からの未収金があればその金額を記載
- 請求金額 ~ 当月分の請求額を記載
- 入金金額 ~ 相手からの入金金額を記載(継続的な請求書の場合)
- 合計金額 ~ 前月分からの未収分と、当月で発生した請求金額を合計して記載
- 内容明細 ~ 当月発注分の商品の名称、品番、数量、単価、取引年月日など明細を記載
- 振込先口座 ~ 振込先口座情報を記載(口座名義のフリガナも忘れずに)
- 支払期限 ~ 契約時に双方で決めた支払期限を記載
- 請求番号 ~ 一連の通し番号を設定しておくと、後から問い合わせがあった時に便利です。
- 備考 ~ 特記事項等があれば備考欄に記載
- ※振込手数料の負担の有無について、事前の取り決めがあれば備考欄に記載
- ※請求書の控えは確実に残して管理を徹底
請求書|まとめ
ポイントは
- 請求書の内容確認、発行もれ、送付忘れなどが無いかチェックを徹底する
- 入金管理をしっかりと把握し、入金期日を過ぎても入金になっていない取引先が無いか確実にチェック
この2点に尽きます。
繰り返しになりますが、請求書は取引先にお金を払ってもらうための重要書類ですから、しっかりと作成し管理を徹底しましょう。