あなたは領収書が出ない経費の支払を処理するとき、どのように対応していますか。
領収書が無ければ必要経費として認められない、という解釈が一般的ですが、ちょっとお待ちください。領収書が無いからといってあきらめるにはまだ早い!
今回は、何らかの理由で領収書が無いという場合に、領収書の代わりとして使える「支払証明書」という書類についての解説と、無料のテンプレートをみなさんとシェアしたいと思います。
支払証明書|必要なケース
経理として長年帳簿の必要経費処理にたずさわっていますと、領収書が出ないパターンの経費支払と出会うことが、実は結構あります。
そのときに「領収書がないので必要経費として認めません」という機械的な判定ではなくて、領収書が無くても間違いなく「会社・事業の業務上必要な費用」という事がわかっているものならば、当然経費として認められるべきで、領収書の有無にかかわらず精算することがあります。
たとえば
などです。ただし、証拠となる資料が何も無い、というのも帳簿の処理上問題アリです。
こうした領収書が出ない経費の支払の場合に、その支出を客観的に証明する資料として利用できるのが「支払証明書」という書類です。
支払証明書|そもそも支払証明書とは
支払証明書とは、支払い形態やその時々の状況によって領収書等が発行されない支払い分について、その支払いを客観的に証明するために、証拠書類として領収書の代わりに記録・保存のために作成するものです。
支払証明書に記載する必要項目は5つです。
- ① 支払日 ~ 代金を支払った日を記載
- ② 支払先 ~ 代金を支払った先を記載
- ③ 支払金額 ~ 支払った代金を記載(消費税なども)
- ④ 支払事由 ~ 取引内容を記載
- ⑤ 作成者 ~ 支払証明書を作成した人の氏名
領収書が無い場合、その理由を後から聞かれる可能性があるので、支払証明書にその経緯も備考欄等に記録し、さらに上長の承認印ももらっておくと安心です。
領収書の紛失時には、まず再発行依頼
支払証明書は、領収書が発行されない手続きの場合には有効ですが、領収書が発行されていたのに、紛失してしまったというときに使用する場合は、支払証明書を安易に使用するのではなく、まず支払先へ領収書の再発行を依頼しましょう。
領収書の紛失が理由で「支払証明書」を多用していると、領収書がきちんと保管されていない会社・事業主、というレッテルをはられ信用を失います。領収書の保管が大前提ですから、そもそも支払証明書の出番はそうそう多くないはずです。
領収書が初めから発行されない場合、また紛失した場合でも、八方手を尽くしたけれどどうしても見つからず、支払先からの再発行もしてもらえない、という臨時的な場合に限って使用するようにした方がよいでしょう。
レシートは?
事業用の消耗品をスーパーやホームセンターで直接購入する事もよくあります。そのときに、レジで「領収書ください」という一言を言い忘れて「レシートしか手元にない」ということが割と多いかもしれません。
基本的には、領収書とレシートのセットでの保管がベストなのですが、とりあえずレシートがあれば、領収書がなくても問題ありません。
レシートには具体的な内訳が記載されているので、帳簿の処理的には、実はレシートのほうが助かります。領収書には金額しか書かれていないことが多いので「領収書もらったからレシート捨てちゃう」という事になると、細かい明細が不明で、帳簿の処理の時に逆に困ってしまう事もちらほら。
消耗品など、こまごました経費は領収書よりレシートのほうが処理しやすいというケースが多いので、あくまでも両方セットでの保管が基本ですが、仮に領収書をもらい忘れた場合には、レシートを必ず取っておきましょう。くれぐれもクシャクシャにして捨てないよう、全ての経理担当を代表してお願いします。
支払証明書|無料テンプレート
支払証明書の無料テンプレートはこちらです。
【支払証明書】無料テンプレート
PDF(A4サイズ)形式です。4枚分を1枚にまとめていますので、点線で切り取ってお使いください。
サンプル画像です。
下段の大きくあいたスペースは、会社や屋号の横判・会社印・角印などを押印するスペースとしてお使いください。
領収書のファイリング
領収書はどのように保管していますでしょうか。
当ブログではファイリングのひとつの選択肢として様々な書類の保管方法をご紹介しています。こちらの記事です ➡
一般的には「スクラップブック」に貼って保管するのが多いのではないかと思います。定番のスクラップブックはこちらです。
最近は貼らずにそのまま入れておくタイプも出ています。それがコチラ
スクラップブックに貼り付けるときに液体のりを使用すると水分多めでゴワゴワになりがちです。管理人は「テープのり」か「スティックタイプ」の使用をオススメしています。
ご参考まで。