痙性斜頸|主な症状と治療開始まで

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今回は、前回に引き続き、私の抱えている「痙性斜頸(けいせいしゃけい)」という病気のことについての体験談をお話しするコラム第2回目です。

「主な症状と治療開始」ついてお話したいと思います。


ちなみに初回のコラムはこちらです。

主な症状など

「腕を前へ出す動作」で現れる症状

私の場合、発症直後から3か月くらいまでが、最も症状が強く出て、一番しんどい時期でした。

特に「腕を前に出す動作」をしたときに、首に勝手に力が入って頭が右へ回ったり傾いてしまう症状がかなり強く出ていました。

具体的な動作としては、パソコンのキーボードを両手で打つとき、字を書くとき、ゲームのコントローラーを両手で持つとき、などに頭が右へ回ってしまいます。

感覚トリックの作用を利用して、左手であごを押さえていないと顔が曲がってしまうので、パソコンのキーボードを打つ時は、右手1本しか使えず、文字入力のスピードが劇的に悪化しました。

字を書く時も同じで、左手であごを押さえたままの状態で右手で紙などに記入します。そうすると、左手で紙をおさえられないため、記入中に筆圧で紙の方がペンと一緒に動いてしまい、うまく記入できないこともしばしばありました。

また、当時私はかなりのハードゲーマーだったのですが、症状のひどい時期には全くコントローラーを握ることができず、ゲームができない状態に絶望していました。

横になったときに現れる症状

その他の症状で印象的だったのは「横になった時」です。

症状が悪化しピークでひどい時期は、上下左右どの姿勢で横になっても、首の筋肉に力が入ったり抜けたりを交互にずっと繰り返す状態が続きました。

「力が入ったり抜けたりを交互に繰り返す」状態というのは、首の筋肉が収縮運動しているということであり、つまり簡単に言うと「筋トレ」です。

横になって身体を休めたい、テレビを見たり本を読んだりしたいだけなのに、まるで「胸鎖乳突筋の筋トレ」をしているような状態になっており、逆に疲れてしまっていました。

その当時、筋肉が収縮運動している左側の胸鎖乳突筋だけが知らぬ間に鍛えらてしまっており、鏡を見ると左側の首が右側よりも筋肉がついて明らかに盛り上がってしまっていたほどです。

睡眠時は…

ちなみに、同じ横になる動作の「睡眠時」についてですが、発症当初はやはり同じように症状があり、寝付くまで大変でしたが、後でお話しする「薬」の副作用のおかげで、夜寝るときについては割と早い段階で「寝落ち」できるようになりました。

眠ってしまえば症状が現れることもなく、夜中に目を覚ますこともほとんどありませんでした。

全く症状が現れないとき

発症から3か月までが最も症状が強くしんどい時期でしたが、そんな時期でも、全く症状が現れない不思議な瞬間もありました。

それは、寝起きの朝、目が覚めてからの2~3分です。

朝目が覚めて身体を起こしても、最初の2~3分だけは「全く症状の出ていない完治したような状態」になって首が自由自在に動いていたことも印象的でした。

ほんとにこの2~3分だけです。

そのあと起きて動き始めると、すぐに症状が戻ってしまい毎回ガッカリします。

もうひとつ、これも感覚トリックの一種かもしれませんが「歯磨き」しているときも、全く症状が出ませんでした。


このように、いろいろな条件下で症状が強く出たり、まったく出なかったりするような点も、痙性斜頸という病気の不思議なところだなと思います。

おそらく個人差がかなりあって、同じ病気で悩まれている方それぞれに、いろんな症状があるのだと思います。

私の場合の一例紹介でした。

治療開始

治療は、最初に紹介状を書いてもらい診てもらった総合病院の脳神経内科で始めることになりました。

主治医からは、ボトックスによる治療もあるけれど、それよりも日常生活の改善がまず第一。

  • 「ストレスのないリラックスした生活を送ること」
  • 「ダイエットすること」
  • 「できれば禁煙すること」

こうした日常生活の改善を行いつつ、筋肉の緊張をやわらげる筋弛緩効果のある薬を服用し、まずは症状の様子を見ていきましょう、という提案でした。

ネットでボトックスによる治療の詳細を調べたときに、費用が高額だったり、効果がない人もいる、という情報を目にし、私自身少し抵抗を感じていました。

それだけに、医師の提案は私にとって安心できるものでしたし、信頼できるものでした。

私は医師の提案を承諾し、さらに私から追加で2点ほどお願いしたことがあります。

1つは、慢性的に首回りの痛みが続いていたので、薬のほかに「湿布」も欲しいということ。

もう1つは「整体」や「針治療」も試したいということ。

この2点についての希望を伝え、両方とも医師の承諾を得ました。

まとめると

  • 「日常生活の改善」
  • 「筋肉の緊張を和らげる薬の服用」
  • 「湿布よる痛みの緩和」
  • 「整体・針治療による症状への直接アプローチ」

以上の4つを大きな柱として治療を開始することになります。

薬の副作用に苦しむ

治療開始当初、筋肉の緊張をやわらげる効果のある薬を、1日3回、朝昼晩と服用していました。

薬の効果によって、首の筋肉の緊張がやわらいでいることは実感できたのですが、それでも首の動きを完全にコントロールすることはできません。

また、その薬の副作用が結構強烈でした。

その副作用とは「眠気」です。とにかく眠い。1日中眠いのです。

夜は眠るだけなので、副作用のおかげで首の緊張がほぐれ「寝落ち」状態となってすぐに眠れるようになり、特に困らなかったのですが、やはり日中、特に仕事中の睡魔との戦いがしんどかった。

結局、首の症状と副作用の影響で、なかなか首もよくなってくれない、1日中とにかく眠い、その結果まともに仕事もこなせない、という悪循環におちいってしまいます。

私は、このままではどうしようもないと思い、仕事を辞め、治療・療養に専念することを選択します。

発症から3か月目のことでした。

整体と針治療

病院の治療と同時並行で、整体と針治療に月2回くらいのペースで通っていました。約2年くらい続けていたと思います。

結論から言うと、これらの治療は私にとっては症状の改善につながる効果を得られませんでした。

整体で2か所、針治療3か所、それぞれ別々の治療院を一定期間ずつ通いましたが、どの治療院で施術を受けても、私が抱える首の症状に、直接作用するような効果はあまり感じられなかった気がします。

ネットで調べた際に、整体や針治療で改善したケースがあるという情報を見たので、私もかなり期待して通ってみたのですが、残念ながら私の場合はうまくいきませんでした。

※あくまでも私の個人的感想です。だぶん個人差があるのだと思います。人によっては効果的な場合もあると思います。また、もっと色々な治療院を試してみればよかったとも思います。しかし、経済的負担が大きかったのと、新しい治療院を探すのに疲れてしまい、整体と針はやめること(一旦ストップ)にしました。ただ、機会があれば、再び試してみたいという気持ちは今でもまだ持っています。


またまた長くなってしまいましたので、症状と治療開始までは以上とさせていただきます。

次回「症状の緩和」についてお話しします。

読んでいただきありがとうございます。