痙性斜頸|症状の緩和

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私の抱えている「痙性斜頸(けいせいしゃけい)」という病気のことについてのコラム第3回目。

今回は、療養に専念していた期間に、症状がゆるやかに緩和しはじめてきた時の状況を中心にお話したいと思います。


第1回コラム「発症と原因の考察」はこちらです。

第2回コラム「主な症状と治療開始まで」はこちらです。


実家での療養生活で症状が緩和

突然の病気発症から3か月の間、肉体的にも精神的にもかなりしんどい状況が続いていたことから、とにかく自分の身体を一番に考えようと思い、仕事をやめ、治療と療養に専念することを決意します。

当時は実家を離れ一人暮らしをしていたので、まずは実家に戻りゆっくり療養しようと考えました。

毎日実家で何もせず、テレビやYouTubeを観たり漫画を読んだりするだけの生活です。

いい歳になって無職となり、両親の世話になることに申し訳なさを感じていましたが、結果的にはこの実家でのダラダラ療養が功を奏し、療養し始めてから2か月ほどで症状が緩和しはじめます。

主な症状の変化

●キーボードのタイピング動作

キーボードに両手を置いたとたんに頭が右に回ってしまい、画面の正面を見ながら打つことができないでいたパソコンのキーボードタイピング動作ですが、少しずつ、首の筋肉にかかる力が緩和し始めるにつれて、頭の回る動きをコントロールできるようになっていきました。

正面を向くことが困難になっていたパソコンキーボードのタイピング動作が、実家療養2か月で「なんとか正面を向きつつ両手でキーボードを打つことができる時間」が少しずつ増えていきました。


●ゲームのコントローラーを持つ時

実家療養の期間はゲームを全くせず、コントローラーに触っていませんでしたので、症状が改善しているかどうかは判断ができませんでした。


●横になった時

首の筋肉に力が入ったり抜けたりを繰り返していた「横になった時」の症状は、2か月経過してもまだ続いていました。しかしながら、力の強さ自体が少しずつ弱まっていきました。

痙性斜頸を発症した当時、横になってテレビを見たくても、横になったとたんに首の筋肉に強めの力が入って抜けてを繰り返してしまうため、身体が落ち着くことがなく5分と横になった状態を維持できませんでしたが、首の筋肉にかかる力がだんだん弱くなってきたこともあって、日に日に、5分、10分、15分と長い時間横になる姿勢を維持できるようになっていきました。


●字を書く動作

字を書く際は、相変わらず左手であごを触っていないと上手に書けない状態、いわゆる感覚トリックに頼らざるを得ない状況は続いていましたが、こちらも首にかかる力の度合いが弱まってきて、以前より首が楽な状態で字を書けるようになりました。


以上のとおりに、実家に戻って療養をはじめてわずか2か月ほどで「明らかに発症当時と比べて症状は改善しはじめている」ということを実感できました。

何か特別な治療や行動をしていたわけではなく、ただ実家でボーっとしていただけ。「何もしない」ということによって、症状が改善していきました。

私の場合、病気になってから比較的早いタイミングで仕事を辞め、ストレスなく安心して身体を休めることができ、バランスの取れた食事も取れ、睡眠もたっぷりとれる「実家」という環境に身を置き、精神面でも肉体面でもリラックスできたことが、症状改善につながったのではないかと感じています。

1人暮らしの再開と薬の服用見直し

実家療養が3か月くらい経った頃、たまたま知り合いのつてで、再就職(当初はアルバイトでしたが)の話があり、無職のままボーっと実家で暮らし続けるわけにもいかないな…と思っていましたし、症状も改善方向へ進み始めていたので、そのお話を受け仕事を再開する事を決めました。と同時に、約3か月間の実家療養を終え、1人暮らしも再開することになります。

1人暮らし再開当初は、まだ症状が強く現れてしまう場面も多く、せっかく再開した仕事でしたが、体調がすぐれず午前中だけで帰らせてもらったり、ということもありました。

しかし、半年くらい経過すると、症状がちょっとずつ改善していき、だんだん身体が仕事に慣れてきたこともあって、無理のない範囲で毎日仕事をこなせるようになっていきました。(当初はアルバイトで半年後に契約社員になり、その1年後、正社員へ転換となりました)

その一方で、薬の副作用による眠気は相変わらずで、仕事にも影響があることから何とかしたいと考えていました。

そこで、定期診察で主治医の元を訪れた際に「症状がだいぶ改善してきていること」「再就職後の仕事のこと」「薬の副作用で日中がつらい」という内容を説明し、薬の回数を減らせないか相談しました。

そこで主治医の了承を得ます。1日朝昼晩3回だった薬の回数を、1日1回夜だけでOKになりました。これによって、副作用の影響が劇的に改善します。

日中は眠気の無い普通の状態にもどり、夜は夜で、薬を飲むことで副作用の効果があってぐっすり眠れます。薬の回数を減らしたことによって、生活サイクルは病気以前の状態を取り戻すことができました。

「実家療養」➡「症状の緩和」➡「再就職」➡「さらなる症状の改善」➡「薬の回数を減らす」➡「生活サイクルの回復」➡「精神的・肉体的安定」

という一連の流れの中で、私の症状は少しずつ、1歩1歩、確実に改善方向へ進んでいきました。

生活習慣の見直し

医師のすすめもあって、病気以前の生活習慣を一変するため、意識的に次のようなことに気を付けていました。ちなみに現在も継続しています。

禁煙・禁酒

タバコは、以前1日1箱近く(10~20本)ほど吸っていました。正直言うと病気発症後も、なかなか禁煙できなくて、しばらく吸い続けていました。

ニコチン依存が強いのかな…と個人的には思っていたのですが、単に口が寂しいだけだったようで、タバコが吸いたくなったらガムをかむ、ということを始めて割とあっさりと禁煙に成功しました。毎日吸っていたのにあまりにあっけないものだなと思いました。以来1本も吸っていません。(ただ、ガムがやめられなくなってしまってます…)

お酒ですが、薬との飲み合わせがNGのため、病気発症当初からドクターストップがかかっており、アルコールはずっと口にしていません。もともと病気以前もあまりお酒は飲んでおらず、晩酌の習慣などもなかったので、禁酒はそれほど苦になりませんでした。

適度な運動

症状が改善し始めて、仕事も正社員として働きはじめた頃だったと思いますが、週2回くらいのペースでスポーツジムに通い始めました。

適度な運動も主治医からの助言があった日常生活改善のひとつであり、私自身もこの数年運動を続けていて、症状の緩和・改善に効果的だと感じています。

ただ、あまりに重い負荷をかけて行う高強度の筋トレは、かえって症状を悪化させてしまう恐れがあるので気を付けた方が良いそうです。ですから、私は有酸素運動を中心におこなっています。ランニングマシンを使ったウォーキング(走ると強度が高くなるので早歩きです)、サイクルマシンを使ったサイクリングなどです。常にアップルウォッチで「心拍数」をチェックし、心拍数が高くなりすぎないよう(だいたい120~140の間を維持)に注意しています。

筋トレも時々やりますが、軽めのウエイトで姿勢や体幹を意識したダンベルトレーニングが中心です。

また、私が通っているジムには大浴場とサウナが完備されています。運動しない日でも、風呂だけ入る事もできるので、疲れがたまって身体を休めたいときなどに利用できて大変助かっています。


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暴飲暴食に気を付ける

これも医師からの助言のひとつですが、バランスの良い食事を心がける…ようにしています。

一人暮らしだと、これがなかなか難しいですね。

睡眠時間の確保

病気以前は夜中の1時、2時まで平気で起きていましたが、現在は遅くても11時には布団に入るようにしています。そして最低でも6時間は睡眠時間をとるよう心がけています。


「症状の緩和」については以上となります。

読んでいただきありがとうございます。