求人の応募に対して、残念ながら採用を見送るときがあります。そのときに、不採用となった応募者に対して送る書類が「不採用通知」です。
筆者もこれまで、何度が採用面接などに立ち会ったことがありますが、求人募集に対して前向きな気持ちで応募してきてくれた応募者の気持ちに対してお断りをするという行為は、採用する側としては心苦しく思う瞬間でもあります。
応募者全員を採用したいという気持ちがあっても、現実的には残念ながら不採用とせざるを得ないこともあるのが採用面接です。
採用をお断りするという行為は、応募者にとっても、会社側にとってもお互いに気持ちの良いものではありませんよね。ですから、採用を見送ることとなった応募者に対しては、不採用となることを丁寧に伝えられるような文面を用意しておきたいところです。
そこで今回は、不採用通知の作成方法、文例、無料テンプレートをご用意しましたのでどうぞご参考にしてみてください。
前回ご紹介した「採用通知」編もぜひ合わせてご覧ください。
不採用通知|5つの作成ポイント
最初にもお伝えした通り、不採用通知は応募者に対してお断りをするための内容なので、その文言、内容には十分配慮して、丁寧な文面とすることが大切なポイントです。
では、ポイントを5つに分けて整理してみましょう。
タイトルは明確に
求人活動している求職者のもとには、当社以外の求人資料や、会社案内など様々な書類が届いているはずです。
複数の会社へ求人申込応募している求職者ならなおさら書類が多くて、不採用通知を送付しても、見落とされてしてしまう可能性があります。
ですので
- 選考結果の通知であるということ
- 企業名
まず大前提として、この2点が一目でわかるようなタイトルにすることが重要なポイントです。
求人に応募してきてくれたことへの「感謝」の意を伝える
次に、たくさんの求人の中から当社を選んで応募してくれたことに対する「感謝」の意を伝えましょう。
書面の前半・書き出しは、感謝を伝えるような文面からスタートします。
不採用を「不採用」という言葉を使わずに伝える
「不採用」や「不合格」といった文言は少し強めの印象となり、あまり好ましくありません。
そのため「不採用」「不合格」という直接的な文言は使わず
例えば
- 「〇〇様の御希望に添うことができず…」
- 「今回は採用を見送らせていただくこととなり…」
といった文章表現を使用しましょう。こうすることで角が立たず、柔らかな印象とすることができます。
面接等で預かった履歴書等の書類をどうするか
通常の採用面接では、履歴書を会社で預かります。採用となればそのままその履歴書を会社で保管しますが、不採用の場合その履歴書は本人へ返却するのが原則ですので、その旨の文章も書き加えておきましょう。
一方、求職者の中には、不採用となった履歴書は縁起が悪いので廃棄処分してほしいと申し出る方もいらっしゃるかもしれません。そういった場合には、自社で責任をもって処分する旨の文言を追加します。
最後に今後の求職活動に期待する文章で締める
最後は、応募してきてくれたことに対する感謝の気持ちと、今後の採用活動を応援する気持ちを込めた文章で締めて完成です。
不採用通知|無料テンプレート|封書で返信する場合
では、前段の5つのポイントをまとめた文例の無料テンプレートをシェアします。(履歴書をお返しするパターンです)
※イメージは下記の通りです。
【不採用通知】文例
不採用通知|無料テンプレート|メールで回答する場合
続きまして、不採用通知を「メール」で行う際の文例についてもご紹介します。
内容はほぼ一緒ですが、メール独特の文章形態に注意してご確認ください。(履歴書を廃棄処分するパターンです)
※イメージは下記の通りです。
【不採用通知】メール文例
不採用通知|補足2点
郵送時の注意
通常の郵便では、中身がわかるよう「〇〇在中」などと記載することがありますが、不採用通知ですから、個人へのプライバシーの配慮から「在中」は記載せず、応募者本人への「親展※」扱いとして送付するようにしましょう。
※親展(しんてん)とは?
郵便物の表紙に赤字で「親展」と書かれている郵便物をご覧になったことがあるかと思います。この「親展」には、封書において
「宛名に書かれている本人自身が封を開けて読んでください」
という意味が込められています。
親しみを込めて送った封書、という意味ではありません。親展と書かれた封書を本人以外が勝手に開けてしまうと思わぬトラブルに発展することもありますからご注意ください。
通知を送るまでの期間
休職者の立場で考えると、一刻も早く採用・不採用の結果を知りたいと思っているでしょう。そのため、不採用の通知はなるべく速やかに送付するようにしましょう。
一般的には採用試験・面接から1週間以内が目安です。