退職の話|会社都合と自己都合

総務

あなたは「退職」したことありますか?

私はというと、これまで2回退職経験がありまして、

1回目の退職が「会社都合」

2回目の退職が「自己都合」でした。

そんな経験をもとに「退職」にまつわるあれこれをご紹介します。

会社都合退職とは

会社都合退職とは会社の都合で退職することを意味します。

代表的な例では

  • 会社の業績悪化による人員整理などの「会社側の事情」によって退職するパターン(倒産とかリストラです)
  • 解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く)

などです。

ちなみに、会社には「就業規則」という

その会社のルールブックのようなものがあります。

就業規則の中には

「懲戒処分の対象となる問題を起こした場合には解雇とする」

という内容の規定が通常はあります。

会社が規定する懲戒処分に該当するような問題を起こしたことがきっかけでの「解雇」は「自己都合退職」という扱いになります。

自己都合退職とは

自己都合退職とは、自分の都合で退職することをいいます。

  • 別の仕事へ転職する場合
  • 結婚を機に退職する場合
  • 家族の介護のために退職する場合
  • 病気療養するために退職する場合   …etc

などです。

「一身上の都合で」

という退職理由の場合が「自己都合退職」です。

会社都合退職と自己都合退職の違い

失業給付の違い

一番大きな違いは「失業給付」に関する違いです。

失業給付とは

給料明細を見ると、控除項目(給料から差し引かれる分)に「雇用保険料」という項目があると思います。

これは雇用保険に加入していることを意味していますが、この雇用保険に加入していることによって、その会社を退職後に1日あたり6000円~8000円程度、失業給付金を受け取ることができる制度です。(退職から直近半年間の月給の50~80%の失業給付金)

失業給付金の内容は「自己都合退職」か「会社都合退職」かによって違ってきます。

項目
会社都合 自己都合
失業給付支給開始日 
最短7日後3か月7日後
失業給付日数
90~330日 90~150日 
失業給付最大支給額
約260万円約118万円
国民健康保険
最長2年間軽減通常納付

比べてみると違いは明らかです。

「働き続けたいのに、会社の都合でやむなく退職せざるをえなかった~」

という「会社都合」パターンのほうが失業給付の内容が手厚いです。

特に「支給開始日」は、会社都合の場合は最短で退職後7日で給付開始するの対して、自己都合の場合は最低でも「3か月」程度、期間が経過しなければ失業給付を受けられません。

したがって

次の転職先が決まっていない状態での自己都合退職の場合

退職から3ヶ月間は全くの「無収入」となってしまいます。(3か月間生活できるだけの貯蓄は残したうえで退職するのがベストです)

失業給付まとめ

会社都合での退職の場合

  • 失業給付をすぐに受け取れる
  • 失業給付のもらえる日数が長い
  • 失業給付の金額が多い
  • 雇用保険被保険者として、半年以上保険料を納めていれば最大90日間まで失業給付を受けられる ※自己都合退職の場合は、失業給付を受けるために最低1年以上雇用保険の被保険者として保険金を納めている必要あり

自己都合での退職の場合

  • 失業給付を受けるまで最低3ヵ月
  • (会社都合退職と比べて)失業給付を受けられる期間が短い
  • (会社都合退職と比べて)失業給付の金額が少ない
  • 失業給付を受けるために最低1年以上雇用保険の被保険者として保険金を納めている必要あり ※会社都合の場合は半年以上

※失業給付制限期間が「2か月」に変更されました!

詳しくはこちらの記事でご確認を!

転職で気を付けるポイントは「退職理由」

転職の面接の際に必ず聞かれるのが

退職理由」です。

「会社都合退職」の場合だと、なぜ会社都合となったのか(解雇なのかどうか)経緯、理由、内容について、かなり深いところまで聞かれるでしょう。

ある意味「会社都合」は特殊な退職なので、採用しようとする企業の視点に立ってみると、間違いなく一番気になるポイントです。

管理人も1度目の転職が「会社都合退職」後の転職活動でしたので、前職についてかなり根ほり葉ほり聞かれました。

ただ、管理人の場合は「業績悪化による会社都合」だったので、特に緊張もせず、ありのままを伝えて問題なくクリアしました。

会社都合退職の場合には、その退職理由を、確実に正確に伝えられるよう準備しておく必要があります。

一方「自己都合退職」からの転職活動では、会社都合の場合と比べると、退職理由について深くは突っ込まれないかもしれません。

しかしながら、転職の回数が異常に多かったり、前職の在職期間が極端に短かったりすると、履歴書の職歴欄が「目立って」しまうので、その場合は退職理由を詳しく追及される事になるでしょう。

したがって、いずれの場合も転職の際に一番のポイントとなるのは「退職理由」ですから、確実に回答できるよう十分準備しておくことが重要です。

退職は計画的に

退職は計画的に

退職はこの言葉に尽きます。

自己都合退職に多いのが「感情的になってしまうパターン」です。

感情的になると、退職手続きがスムーズに進まないだけでなく、自分にとってマイナスとなるような状況が生まれる可能性もありますから、退職を考えるときは、とにかくまず落ち着いてください。

そしてひと呼吸おきましょう。じっくり周りを見渡して、退職までのスケジュールをしっかり計画立てて進めましょう。

では、ここで今退職を考えているあなたへ、退職までにしておいた方がよい準備についていくつかご紹介します。

転職エージェントへの登録

退職前に「転職エージェント」などのサイトへの登録をおすすめします。(退職後の登録より在職中の登録のほうがはるかに効果的)

退職しようかどうか迷っているときって不安ですよね。

今の会社でこのまま勤めていても将来が不安だなぁ……。

なんて考えれば考えるほどマイナスのドツボにはまっていきます。ドツボにはまればはまるほど身動きが取れなくなってしまいます。

あまり深いドツボにはまる前に、何かしらの行動を起こしましょう!

求人雑誌を見てもいいし、ハローワークの求人を見てもいいです。何もしないでいるよりはマシです。そんな中で、管理人が一番オススメするのが「転職エージェント」への登録です。

雑誌やハローワークは「自分で求人を探して応募する」というものですが転職エージェントは「あなたの希望に寄り添った求人を紹介してもらえる」というサービスです。

あなたのスキルや職歴、希望の業種などを登録することで、エージェントがあなたの現在価値に見合う企業を紹介してくれます。もちろん紹介してもらったからと言って必ず転職しなければならない、という事ではありません。

紹介してもらった企業と、あなたが今勤めている企業で、何がどう違うのかを比較できることが一番のメリットです。

その比較ができると、すぐにでも転職したほうがいいのか、あるいは今の会社で働き続けた方がいいのか、言葉は悪いですが「どっちが得」なのか判断できます。

結果として、もやもやしている「不安」も解消されます。

たとえば、あなたの希望する年収の転職先に採用されるには、今あなたが持っているスキルでは足りない、という事がわかれば、そのスキルを今の会社で働きながら身に付けて、その後にエージェントを利用して転職する、っていう使い方もアリ。

無駄なく効率的なステップアップが可能になります。

登録しておいて損はありませんので、情報収集のつもりで登録してみてはどうでしょう。間違いなく不安は減ると思いますよ。

もし仮に、こういった行動から、あなたの求める転職先が見つかれば、あとは粛々と退職作業に取り掛かるのみです。

有給休暇の確認

まずは有給休暇が何日残っているのかを把握しましょう。

退職予定日を設定し、逆算して無理なく有給休暇を全消化できるよう計画を練ります。

有給休暇の取得は、他の社員との兼ね合いもあるでしょうから、あまりに退職の直前になってからの有給申請では認めてもらいない可能性があります。

無理なく有給を全て消化できるような計画を立てておくのがベストです。

きっちり全て消化しきって退職しましょう。

就業規則を確認

「就業規則」を確認することも大事です。法律上は、いつ退職を申し出ても問題ないという事になっていますが、会社の就業規則には、退職に関する条項があり、そこにあなたの会社独自の「退職するための基本的なルール」が記載されています。

たとえば、退職の意思は「いつまで」に「だれに」申し出なければならない、などの内容が記載されているはずです。

退職は就業規則のルールに従って進めましょう。

1~2カ月前には退職の意思表示をしておきましょう

法律上では、退職の意思表示をしてから「2週間後」には退職できることになっていますが、スムーズに退職手続きを進めるために後任への引き継ぎ業務などが発生しますので、少なくとも、退職の1~2カ月くらい前までには退職の意思表示をしておくのがベターです。

退職届の準備

退職届には、以下の内容を記載しましょう。

  • 書き出し ~ 一般的には「私儀(わたくしぎ)」と書きます
  • 退職理由 ~ 自己都合の場合はだいたい「一身上の都合」と書きます
  • 退職日  ~ 退職する日を書きます
  • 届出年月日~ 退職届を提出する日を書きます
  • 部署・指名~ 所属の部署と氏名を記入して捺印
  • 宛名   ~ 会社名と社長名を記入

退職代行サービスの利用

退職は、場合によっては思い通りに進まない可能性もあります。スムーズに退職手続きが進められず消耗してしまっているそんなあなたには「退職代行サービス」をオススメします。

辞めたいのになかなか辞められなくて困っているあなた、一度問い合わせだけでもしてみてはいかがでしょうか。悩まずサクッと退職してしまいたいのなら、選択肢の一つとして考えてみることをオススメします。

いくつか退職代行サービスをご紹介します。

汐留パートナーズ法律事務所の退職代行サービス

法律事務所の退職代行サービスです。法律事務所が行う退職代行サービスですので、法律的に解決してくれて間違いありません。またグループに社労士も在籍しているので、労災申請などの複雑な案件も対応可能です。


男の退職代行

その名の通り、男性の退職代行に特化した、男性特有の悩みに寄り添ったサービスです。相談無料なので一度相談してみる価値ありです。


女性の退職代行【わたしNEXT】

一方コチラは女性限定の退職代行サービスです。上記同様に相談無料ですから、悩んでいるくらいなら思い切って相談してみては。

※最近退職代行サービスとしては世界初の「サブスク」サービス始まりました。詳しくは女性の退職代行【わたしNEXT】の公式サイトにてご確認ください。


最後に管理人の体験談を少しだけ

管理人は今からおよそ7年ほど前、病気がきっかけで、仕事を続けていく事が困難な状況になりました。

当時は、病気のことで頭がいっぱいになってしまい、退職までの十分な準備期間を取ることなく、とにかく治療に専念するために早く退職しなければ、という一心で退職まで突き進んでしまいました。

その時はかなりの仕事量をこなしていたことから、後任への業務引き継ぎにも3ヶ月以上かかりました。病気によるショックで疲弊しているところに、大量の引き継ぎ業務の負担も重なり、最後の最後までガッツリ消耗しました。

残っていた有給休暇を消化するという発想も生まれないほどに。

おかげさまで、今はかなり回復していますが、当時は回復するかどうかもわからない状況で、かなり気持ちが焦ってました。

せめて有給くらい消化してから退職すれば、もう少し落ち着いていればと、当時のことを今でもたまに思い出すことがあります。

そんな苦い思い出があるので、退職を考えているあなたには、消耗せずにスムーズに退職してもらいたいと願っています。

自己都合退職と会社都合退職の違いを事前に把握し、今すぐ退職を検討しているわけではないあなたも、知っておいて損はありませんので、ぜひこの内容を今後にご活用ください。