固定費と変動費|固定費削減が利益確保に効果的です!

税務

売上高が順調で十分な利益を確保できているような好況の時には、多少の経費の無駄遣い・出費はあまり気にならないものです。

しかし売上高が減少し、利益も落ち込んでいくような状況になると、重くのしかかる必要経費がハッキリと浮き彫りになります。

そこで経営改善のためにまず取り掛かるのが必要経費の見直しです。

費用には「固定費」と呼ばれるグループと「変動費」とよばれるグループの2つが存在しています。

特に、売上が減少していく中で、大きな負担となるのが「固定費」と呼ばれる種類の費用です。

なぜ「固定費」が大きな負担となってしまうのか。今回はこの「固定費」について「変動費」との違いも含めて解説します。

固定費の性格(変動費との対比)

そもそも費用は、大きく2種類に分類することができます。

それが「変動費」(へんどうひ)と「固定費」(こていひ)です。

変動費とは

変動費とは、事業の売上・収入金額に影響を受けて増減する=「変動する」という性格を持った費用です。

売上が増えれば比例して増えるという作用を持っています。一般的には売上原価(仕入等)、原材料費、外注加工費など、売上を得るために直接要する費用が変動費に分類されます。

固定費とは

一方今回取り上げる固定費とは、事業の売上・収入金額の影響を受けることなく、必ず毎月一定額かかる費用のことです。

売上が増えても減っても変わらず毎月かかり続ける費用です。極端に言うと、売上が全くゼロになってしまったとしても発生する費用、それが固定費です。

固定費は売上の増減に関わらず一定額発生する費用のため、売上が増加したときには負担が減少しますが、売上が減少したときにはその負担が急激に増加します。

固定費の割合が大きい事業形態の場合、売上の減少が少額だったとしても大きな負担となり、経営に直接的に影響を及ぼしてしまいます。

しかし、売上が減少する中でも、固定費を効果的に削減できれば、利益の確保につながります。したがって変動費よりも固定費を見直すことが事業継続にとって比較的重要なポイントなのです。

固定費の代表的な勘定科目

一般的に固定費に該当するといわれている代表的な勘定科目をいくつか挙げると

  • 人件費関連(役員報酬、給料、福利厚生費 他)
  • 通信費
  • 水道光熱費
  • 接待交際費
  • 減価償却費
  • 保険料
  • 広告宣伝費
  • 地代家賃   等です。

従業員を雇用している場合、売上が落ちたとしても雇用し続けている限り、給料の支払いは発生し続けますし、事務所や支店などでかかる電話代(通信費)や電気代、水道代、ガス代(水道光熱費)なども、売上に関係なく事業所を維持していくために毎月固定的にかかります。地代家賃なども典型的な固定費です。

これらの費用を上手に節約できるとグッと経営状況が好転する場合があります。

したがって、経営改善の第1歩として、必要経費の中で「変動費」と「固定費」をはっきりと区別して管理することが重要なポイントとなります。

しかしながら、固定費と変動費の分類をあまりに細かく考えすぎて、分類がわからなくなってしまうことがあり、注意が必要です。

固定費と変動費のかんたんな分類法

固定費と変動費の分類を細かいところまで考えてしまうと、分類のゴールが見えなくなってしまいます。

給料と水道光熱費は「固定費」と上で紹介しましたが、

従業員が残業したり、アルバイトを雇ったりすることで給料が増減するから給料は「変動費」では?

7月は記録的猛暑でエアコンつけっぱなしで6月と比べてかなり電気代がかかったから水道光熱費は「変動費」?

などのように細かく考えてしまうと決められません。ある程度の割り切りが必要です。

給料も水道光熱費も、売上の増減に伴って変動したわけではありませんから、分類としては固定費で問題ありません。

売上に直接要する費用は「変動費」

それ以外は全て「固定費」

とシンプルに判断するようにしましょう。これが一番かんたんな分類法です。

そもそも変動費は「売上に比例して増加する費用」ですから、勘定科目でいえば「原材料費」や「仕入」「外注費」などです。「売上に比例」して、というポイントを「売上の販売数に比例」とさらに具体的にかみ砕いて考えるとわかりやすいかもしれません。

給料も水道光熱費も「売上の販売数に比例して増加」しませんよね。この方法で考えて、変動費を抜き出すことができれば、おのずとあなたの会社にとって変動費となる勘定科目が浮かび上がってくるでしょう。

そして、変動費として浮かび上がってきた勘定科目以外の科目が全て「固定費」です。

あまり難しく考えずシンプルに判定してみましょう。

固定費と変動費から「限界利益」を知る

固定費と変動費の分類が完了すると、会社にとって重要なもう一つの数値「限界利益」という数値が見えてきます。

限界利益とはその企業の「儲けるための力」を表すといわれている数値です。

計算式は「売上-変動費=限界利益」で算出できます。

通常の利益の計算式は「売上-変動費-固定費=利益」で算出されますから、この式から固定費を除いた部分が「限界利益」となります。

限界利益の数値が高ければ高いほど、その会社の儲け力が高いといえます。逆にこの数値が低いと、儲け力が低く企業活動を継続していくことが困難な状況になってしまう可能性を含んでいるという事がいえます。

企業にとって、この限界利益をいかにして上げていくかという事がひとつの事業活動の目標になってくるのです。

したがって、会社の利益を増やすためには

①限界利益を上げる

②固定費を削減する

このいずれかの方法しかないのです。それだけ固定費が利益に及ぼす影響が大きいという事を意味しています。ですから固定費の削減が利益の確保に非常に効果的なのです。