経営分析|1歩先行く会社に成長するために

税務

会社では、その事業活動の取引内容から、貸借対照表や損益計算書、仕訳一覧表、総勘定元帳などといった様々な財務諸表を作成しています。

こうした各種資料に記録された数字からは、主にその企業の収益状況や、資産・負債状況などの情報を得ることができますが、それはあくまでも表面的な情報にすぎません。

表面的な数字には現れない会社の業況を、さらに1歩深く踏み込んで読み解くためには、その数字から様々な「分析」をすることが必要になってきます。

そんな場面で登場するのが「経営分析」です。

経営分析は、財務諸表の数字を利用して、一般的な財務諸表から読み取れる見方とは異なる側面から企業を診断する技術です。財務諸表をただ眺めているだけでは見えてこない深い部分にまで分析によって数値化することが可能となります。

今回は、そんな経営分析の概要と役割などについてご紹介します。

経営分析の目的と役割

会社では毎月貸借対照表と損益計算書を作成し、その数字を確認して経営に役立てているものと思います。

通常はその数字を確認することで業績が堅調かどうか確認できますので、特に問題ありませんが、仮に業績が減少しつつあり、何か会社経営の改善・見直しを考えなければならないという場面になったときには、貸借対照表と損益計算書の数字と共に、経営分析によって導き出される数字が役立ちます。

つまり、経営分析とは、会社の業績改善、見直し、経営方針の再構築などを行うときに、参考となる数値を導き出すための技術なのです。

例えばですが、会社の支払業務に直接携わる経理担当の方々の中には「なんとなくキャッシュの流れがよくない」という漠然と感覚的に感じるものがあるかと思います。その「感覚的」なものをハッキリと数値化して分析し、問題点を可視化するのが経営分析の役割です。

経営分析のメリット

①経営改善のための問題点が可視化できる

上段でも述べましたが、経営改善するためにどの部分をどのように改善すべきが明確に数値化することができる、という点が経営分析をすることで得られる最大のメリットです。まさに経営分析の主たる目的であり、最も重要なポイントです。

②自社の強み弱みがハッキリわかる

経営分析の種類によっては、会社の財務的な側面を数値化できるものがあります。それらによって財務的に自社の優れている面、また劣っている部分が明らかになりますので改善点・問題点の把握に役立ちます。

改善点・問題点がハッキリすれば経営改善の対策も立てやすくなります。

また、業績が悪い時だけではなく、好調な時には、経営分析の結果得られた自社の強みの部分をさらに強化して、業績アップに拍車をかけることにつながるような攻めの業務改善にも役立てることができます。

経営分析の種類

今回は経営分析の種類を、その分析するカテゴリーによって大きく5つに分けてご紹介します。

収益性(しゅうえきせい)分析

収益性分析は会社が収益をどれだけ稼ぐ力を持っているのかを数値化する分析です。

代表的な収益性分析は以下の通りです。

  • 売上高総利益率
  • 総資本経常利益率
  • 自己資本利益率   など

安全性(あんぜんせい)分析

安全性分析は会社の財務面の安全性を数値化する分析です。これによってその会社が健全経営なのか、あるいは倒産寸前なのかを計ることができます。

代表的な安全性分析は以下の通りです。

  • 流動比率
  • 当座比率
  • 自己資本比率   など

活動性(かつどうせい)分析

活動性分析とは会社の売上をあげるためにどれだけ効率的に資産を活用できているかを数値化する分析です。

代表的な活動性分析は以下の通りです。

  • 総資本回転率
  • 固定資産回転率
  • 棚卸資産回転率   など

生産性(せいさんせい)分析

生産性分析は事業に投入した経営資源に対してどれだけ効率的に生産量を産み出せているかを数値化する分析です。生産性が高ければ、それだけ高い利益率を生み出している事になります。

代表的な生産性分析は以下の通りです。

  • 労働生産性
  • 資本生産性
  • 労働分配率   など

成長性(せいちょうせい)分析

成長性分析とは会社の売上、総資産などの額がどのように変化しているかを数値化する分析です。

代表的な成長性分析は以下の通りです。

  • 売上増加率
  • 利益増加率
  • 従業員増加率  など