消費税、所得税、法人税|かんたん解説!

税務

税金には色々な種類があります。

そんな中でも、おそらく耳にする機会が多い税金が

「消費税」「所得税」「法人税」の3つではないでしょうか。

今回はこの3つの税金の概要をかんたんに解説します。

それぞれに特徴があり、その特徴によって一定のグループに分けることができます。

グループ分けすると理解度も深まります。

税金のグループ分けについて

まずは、税金のグループ分類について解説します。

税金をグループ分けする際には、2通りの分類方法が多く用いられます。

税金を納付する「相手先」で分類

ひとつ目は税金を納付する相手先で分類する場合です。

納付する「相手先」というのは、大きく2つあって

ひとつが「国」

もうひとつが「地方」です。

税金を納付する相手先によって分ける方法
  • 「国」が相手先の税金を「国税」(こくぜい)
  • 「地方」が相手先の税金を「地方税」(ちほうぜい)

税金を納付する「仕組み」で分類

もうひとつの分類方法は

税金を納付する「仕組み」でわけるパターンです。

この「仕組み」にも2つの種類があって

分け方は下記の通りです。

税金の納める仕組みによる分類
  • 税を負担する人と納める人が「同じ」税金 ➡「直接税
  • 税を負担する人と納める人が「異なる」税金を「間接税

以上の通り、税金は2種類の分け方で大きくグループ分けすることができます。

それでは、このグループ分けについて考慮しつつ

代表的な3つの税金についてみていきましょう。

消費税(消費税及び地方消費税)

日本国内で買い物をするとき、老若男女問わず、全員払っているのが「消費税」です。おそらくいちばん身近に感じる税金ではないでしょうか。

世間一般に、広く公平に負担を求められている税金です。

所得税や法人税の税率は知らなくても

消費税の税率は「10%」と、誰もが知っています。

それだけ全国民に広く知れ渡っているいちばん身近な税金が消費税です。

現在、消費税の税率は「10%」(一部軽減8%)ですが、

この「10%」には、実は内訳があるのをご存じでしょうか。

一般的には表面上の「10%」しか見えていませんが

その内部は「7.8%」と「2.2%」の2つに分かれていて

7.8%+2.2%=10%

という計算が成り立っています。

これは、前段のグループ分けでいうことろの

「国税」と「地方税」に分類、という事になります。

つまり

10%のうち、7.8% ➡ 「国」へ納付する消費税

10%のうち、2.2% ➡ 「地方」へ納付する消費税

という内訳です。

ちなみに…

軽減税率8%についても内訳があります。

6.24% ➡ 国税

1.76% ➡ 地方税

6.24%+1.76%=8% です。

消費税って買い物のときお店には払っているけど…、国とか地方って?

消費税は「国」と「地方」に納付する税金ですが

私たちが普通に買い物をするとき、消費税は国とか地方ではなく

買い物をしたその「お店」に払っています。

これは、私たちが払った消費税を「お店」が一旦預かっているという状態なんです。

消費税を預かったお店では、1年の会計期間の中で

全ての取引にかかる消費税を計算し、

国と地方に消費税を納付しています。

➡ つまり、消費税を負担しているのは我々「一般消費者」であり、消費税を納付する納税義務者がそのお店などの「事業者」なんです。

こうした、税を負担する人と、納税する人が異なる仕組みになっている税金のことを「間接税」といいます。

所得税

つづきまして「所得税」(しょとくぜい)です。

所得税は「個人の所得」に対して課税される税金です。

所得とは

ちなみに「所得」(しょとく)とは

収入から必要経費的なものを差し引いた「残り」のことを言います。

したがって、所得税は収入全部に対して課税されているわけはありませんのでご注意ください。

コチラで確認してみましょう!

源泉徴収

会社で給料をもらっているあなたは

毎月の給料の時点で直接所得税が差し引かれて(控除されて)いて

会社が本人に代わって所得税を納税しています。

これを「源泉徴収」といいます。

確定申告

フリーランスのあなたや、個人で事業を行っているいわゆる「個人事業主」

と呼ばれるあなたの場合は、

1年間の会計期間の中で、事業等によって得た収入から必要経費を差し引いて

所得の計算を行い、所得税を算出して納税します。

これを「確定申告」といいます。

※関連記事はコチラです。

所得税の税率は何%?

消費税は「10%」でした。

では、所得税は「何%」なの?

という疑問ですが、

これは一言では回答できません。

なぜなら

所得税は「所得」金額に応じて税率の変わる方式を採用しているからです。

この課税方式を「累進課税方式」(るいしんかぜい)といいます。

覚えておいて損はありません。

ザックリ解説すると、所得が多くなればなるほど税率も段階的に高くなる、という制度です。

現在の税率は

所得金額によって7段階(5%、10%、20%、23%、33%、40%、45%)に分けられています。

参考までに国税庁のリンクをご紹介しますので、興味のあるあなたは一度こちらのページで自分の税率を確認してみましょう。

★参考ページ 国税庁ホームページより「所得税の税率」

No.2260 所得税の税率|国税庁

法人税

最後は「法人税」です。

法人税については、会社経営者のあなたが最も気にする税金です。

会社として会計期間1年間の事業よって得た収入から経費等を差し引いて

最終的に算出した「法人の所得」に対してかかる税金です。

ちなみに、

フリーランスや個人事業主の場合、会計期間は1月から12月までの1年間、という期間に限定されています。

しかし、会社の場合は、それぞれの会社が決めた任意の年度

例えば「3月決算」なら4月~翌年3月までの1年間

「9月決算」なら10月~翌年9月までの1年間

というようにそれぞれの会社が決めた期間(決算期といいます)に応じて

法人の「確定申告」を行って税金を算出します。

法人税の税率

法人税は、所得税の累進課税とは異なり、一定の範囲で一律の税率が定めらています。

こちらも国税庁のホームページに具体的に掲載されていますので

そちらでご確認下さい。

★参考ページ

国税庁ホームページより「法人税の税率」

No.5759 法人税の税率|国税庁

補足ですが

ここ数年、法人税の税率は減少傾向にあります。

個人事業主やフリーランスの方で、毎年利益がかなり出て

相当額の所得税を納付しているあなたは「法人化」することをご検討してみては。

「節税」につながる場合がありますよ!

最後に参考図書のご紹介

消費税、所得税、法人税と、身近で代表的な3つの税金の概要についてご紹介しましたが、税金についてもっと知りたい、知識欲の深いあなたへ、税金に関するおすすめ書籍をいくつかご紹介します。

ご参考まで。

※管理人的には、マンガがオススメ(笑)