雇用保険料を計算する際に、その計算対象となる賃金はどういったものが含まれるのかを紹介。
(ちなみに「賃金」とは、給料やボーナス、そのほか労働の対象として雇用主が労働者へ支払う対価の全てを言います)
給料から差し引かれる雇用保険料の計算や制度の概要についてはこちらの記事でご確認ください。
雇用保険|対象となる賃金となるもの
以下の一覧は雇用保険料を計算するときに含めなければならないもの。
- 基本賃金 ~ 時給、日給、月給、臨時、日雇労働者、パート・アルバイトに支払うもの
- 賞 与 ~ ボーナス
- 通勤手当 ~ 課税・非課税問わず
- 定期券・回数券 ~ 通勤のために支給される現物給与
- 残業手当等 ~ 通常の勤務時間外の労働に対して支払われるもの
- 扶養手当等 ~ 労働者本人以外のものについて支払われる手当
- 技能手当等 ~ 労働者個々の能力、資格などに対して支給される手当等
- 調整手当 ~ 配置転換などによって支給される手当等
- 地域手当 ~ 地方、寒冷地、単身赴任手当等
- 住宅手当 ~ 家賃補助のために支払う手当
- 奨励手当 ~ 精勤・皆勤手当等
- 宿直・日直手当 ~ 宿直・日直等の手当
- その他 ~ 労働者が負担すべき社会保険料等を事業主が負担する場合 など
雇用保険|対象とならないもの
以下の一覧は雇用保険料の計算に含めなくてよいもの。
- 役員報酬 ~ 取締役等に対して支払う報酬
- 慶弔関係 ~ 結婚祝い金、死亡弔慰金、災害見舞金、年功慰労金、勤続褒賞金、退職金(就業規則や労使協定に定めがあっても無くても関係なし)
- 出張旅費等 ~ 実費分の弁償と考えられるもの
- 休業補償 ~ 労働基準法第76条の規定に基づくもの。法定額60%を上回った差額分を含めて賃金としない
- 傷病手当金 ~ 健康保険法第99条の規定に基づくもの
- 解雇予告手当 ~ 労働基準法第20条に基づいて労働者を解雇する場合、解雇日の30日以前に予告をしないで解雇する場合に支払う手当
- 生命保険の掛け金 ~ 従業員を被保険者として事業主が保険料を全額負担するもの
雇用保険|計算方法
雇用保険料は次の計算式で算出。
賃金総額(給料)× 雇用保険料率
ちなみに、雇用保険料率は次の通りです。(R6年度時点の数値です)
労働者負担 | 事業主負担 | 計(雇用保険料率) | |
一般の事業 | 6/1,000 | 9.5/1,000 | 15.5/1,000 |
農林水産・清酒製造の事業 | 7/1,000 | 10.5/1,000 | 17.5/1,000 |
建設の事業 | 7/1,000 | 11.5/1,000 | 18.5/1,000 |
労働者負担 ➡ あなたの給料から天引きされる金額
事業主負担 ➡ 会社が負担する金額
この両方を合計したものが「雇用保険料」の総額となります。
参考サイト:厚生労働省 雇用保険料の料率表より