総務の仕事といえば「電話対応」がつきもの。
どんなに社内システムが進化しても、やはり“最初に声を出して対応する”のは総務の役目です。
新入社員の頃は緊張しながら受話器を取ったあの瞬間を、今でも覚えている人も多いはず。
今回は、そんな総務担当なら「あるある!」とうなずいてしまう電話対応シーンを5つご紹介します。
思わず笑ってしまうエピソードもあれば、「あ、これ明日からやってみよう」と思える小さな工夫も。
電話対応に少し自信がつく、そんな内容です。
名乗りが聞き取れない問題
最初の一言で「お世話になっております、○○の△△です!」──。
しかし一瞬で情報が流れてしまい、会社名も名前もまるで風のように通り過ぎる。
総務担当なら一度は経験したことがあるはずです。
実際、電話の声は音質や速度で聞き取りにくいことも多く、特に初めて聞く社名や名前は難敵。
「もう一度お願いできますか?」と聞き返すことは、決して失礼ではありません。
むしろ、正確に聞き取ろうとする誠実な姿勢として相手に好印象を与える場合もあります。
💡対策ポイント
名乗りの瞬間にすぐメモを取るのが基本です。
コツとしては「会社名」「名前」「要件のキーワード」だけでも書き留めること。
慣れてくると“声の間”でどこが社名・人名か感覚的にわかってきます。
焦らず、聞き返す勇気を持ちましょう。
担当者が不在
「○○さんいらっしゃいますか?」
──そう聞かれて、すでにその担当者が外出中。
すぐに戻らないと伝えると、相手が少し沈黙。
総務担当は「代わりに何か伺いましょうか?」と自然に提案することもありますが、
相手によっては「じゃあまた後でかけます」と言われることも多いものです。
💡対策ポイント
柔らかく、でもしっかりと状況を伝えることが大切です。
たとえば「申し訳ございません、ただいま外出しておりまして、戻りは〇時頃の予定です」
あるいは「内容を伺ってお伝えしておきましょうか?」と添えると印象がぐっと良くなります。
“冷たくしないけど、線は引く”のが総務の腕の見せどころです。
営業電話の断り方に悩む
「以前お話した件でお電話しました」「代表者様いらっしゃいますか?」
──このセリフを聞いて、ピンときたあなた。そう、営業電話です。
最初はどんな電話か分からずに丁寧に対応してしまい、
途中で「これは営業だな」と気づいた時には、すでに5分経過していた…なんてこともよくあります。
💡対策ポイント
営業電話だと感じたら、早めに切り替えるのが大事です。
「営業のお電話につきましては、現在すでにお願いしている取引先がございますので、今回はご遠慮させていただきます」
と、はっきり伝えて問題ありません。
“断る=悪い”ではなく、“会社を守る対応”だと考えると気持ちが楽になります。
また、営業電話を一括管理している会社も多いため、
「営業関係は担当部署で一括して対応しております」と伝えるのも有効です。
相手にも無駄な時間を取らせない、スマートな断り方です。
電話の要件が曖昧なまま終わる
相手の話を聞いていたけれど、途中で
「結局、何が目的の電話だったのか?」
と迷子になるパターン。
特に、説明が長い相手の場合、最初と最後で内容が変わっていることもしばしば。
メモを取りながらでも、うまく整理できずに焦ってしまうこともあります。
💡対策ポイント
焦らず、話の終盤で確認を入れるのがコツです。
「確認させていただきますが、今回のご用件は○○ということでよろしいでしょうか?」
と自分の言葉でまとめることで、相手の意図も再確認できます。
この一言を添えるだけで、伝達ミスや勘違いがぐっと減ります。
電話を取った瞬間に“誰宛かわからない”
「〇〇さん、いらっしゃいますか?」
──そう言われて内線一覧を見るも、同姓が3人。
「どの〇〇さんでしょうか?」と聞くと、「あ、わかりません」と返ってくる。
こうなると、総務の頭の中ではフル回転。
部署を推測し、声のトーンから相手の関係を判断し、最終的には「それっぽい人」に回す…。
まさに総務の“推理力”が試される瞬間です。
💡対策ポイント
この場合は、丁寧に「恐れ入りますが、どの部署の〇〇でございますでしょうか?」と確認を重ねるのが一番です。
それでも不明な場合は、無理に取次をせず、「確認して折り返しさせていただきます」と対応しましょう。
焦らず、間違えないことを優先するのが結果的に信頼につながります。
まとめ:電話対応は“経験”と“誠意”の積み重ね
電話対応に完璧な正解はありません。
相手も状況も毎回違うからこそ、臨機応変な言葉づかいと判断力が求められます。
最初は緊張しても、経験を積むうちに自然と“声の温度”を感じ取れるようになります。
大切なのは、「相手も人、自分も人」という意識。
焦らず、丁寧に、そして誠意を持って対応することが、
結果的に会社全体の印象を良くする最強のスキルになります。
総務は会社の“声”であり“窓口”です。
その一言一言に、あなたの丁寧さと信頼感が必ず伝わります。