給料から差し引かれているもの解説|住民税

税務

今回は、給料から差し引かれる項目の中から「住民税」について解説します。

会社員を前提にお話ししますと

社会人2年目以降のあなたの給料からは、バッチリ差し引かれていますよね。

一方

新社会人1年目のあなたの給料からは差し引かれていないのではないですか?

今すぐ明細を確認してみましょう。

1年目の新社会人の給料から「住民税」が差し引かれていない「謎」を解説します!

なぜ新社会人からは差し引かれず

2年目以降の社会人からは差し引かれるのか

この謎をかんたん解説していきます!

住民税の課税方法

では

なぜ新社会人1年目は差し引かれず、2年目以降から住民税が引かれるのか、

結論です。

住民税は「前年の収入に対して課税されるもの」だからなんです!

住民税は前年の収入を基準に計算します。

厳密には

「2019年1月~12月」までの収入から住民税の税額を計算し

そこで算出された住民税を

「2020年6月~2021年5月」までの毎月の給料から天引きします。

「2019年の収入」×「住民税の税率」=「2020年6月の給料から差し引き始める住民税」

したがって、2020年4月から新社会人になったあなたにとっては

就職したその企業で2019年は働いていないわけですから

上記計算式でいう最初の「2019年の収入」がゼロという事になり

2020年の給料から差し引く住民税もゼロという事になるのです。

一方

2年目以降のあなたの場合だと、2019年の収入があるわけで

そうすると、2020年の6月分給料から住民税が差し引かれはじめるのです。

2年目の手取りが減る?

「2年目の手取りが減る」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

これはこの「住民税」のためです。

新社会人1年目は住民税が差し引かれていませんが

2年目から差し引かれ始めるので、2年目にものすごい昇給があったとか、ボーナスがガッツリ増えた、といったような事がない限り

たいていの場合は、2年目の給料の「手取り」は1年目よりも減るでしょう。

住民税の税率は10%

では次に、住民税の税率についてみていきましょう。

住民税の計算は少々複雑です。

まず住民税は大きく2つの税金が合算されています。

ひとつは「都道府県民税」

ひとつは「市町村民税」

このふたつを合わせて「住民税」と呼んでいます。

さらに

上記2つのそれぞれに「所得割」と「均等割」という2種類の税金があり

最後に「調整控除」という税金の調整が入って最終的に金額が決定されます。

住民税 = 都道府県民税(所得割+均等割)+市町村民税(所得割+均等割) - 調整控除

  • 都道府県民税 ~ お住いの都道府県に対するもの
  • 市町村民税 ~ お住いの市町村に対するもの
  • 所得割 ~ 課税所得に対して係るもの
  • 均等割 ~ 課税所得に関係なく、一律かかるもの
  • 調整控除 ~ 所得税の控除額との差を調整するもの
所得割

課税所得 × 住民税10%(都道府県民税4%+市町村民税6%)

均等割

都道府県民税1,500円+市町村民税3,500円=均等割5,000円

※均等割の標準税率は上記の通りですが、実際には地域によって異なる場合があります。正確な金額はお住いの地域ごとにご確認ください。

以上の通り、それぞれ分解していくとかなり複雑です。

全てを完璧に把握しようとすると少々面倒ですので、金額の目安を知る意味で

住民税は一律10%、とザックリ覚えておくことをオススメします。

フリーランス・自営業者の住民税は?

ここまで会社員の場合の住民税を前提にお話を進めてきましたが

最後にフリーランスや自営業者、また前年に退職された方の場合について

補足解説します。

フリーランスや自営業者の場合、毎月の給料という概念がありませんから

毎月差し引く住民税がいくら、という計算もありません。

しかし、住民税の年間に収める総額は会社員と変わりません。

違いは

会社員の場合は毎月の給料から天引きされるという方法に対して

フリーランスや自営業者の場合は

年4回に分けて自分で納付する

という方法であるという点です。

税額の算出方法は同じですが、納付の方法が異なります。

詳しくはコチラの記事をどうぞ!

住民税の納付先

住民税は

1月1日時点で住民票のある市町村に対して支払います。

会社がある住所ではありません。

あなたが住んでいた住所地に対して支払います。

1月2日以降に引っ越した場合でも、引っ越し先ではなく、引っ越し前の住所地に納付します。