令和3年 確定申告|準備はすすんでいますか?

税務

今年も確定申告の季節がやってきました。

ここ数年で、副業・兼業を行うひとがとても増加したような気がします。

その結果、確定申告が必要となる人もかなり増えているのではないでしょうか。

個人で事業を行っている事業主さんや、アパートなどを所有して家賃収入等を得ている不動産オーナーさんはもちろんですが、中小企業の社⾧さんや、いわゆる通常の給与所得者である人でも、給与以外の一定の収入があることによって「確定申告」が必要となる場合があります。

後で触れますが、この1~2年、新型コロナがまん延している期間にコロナ支援金のようなものを受けた方もいらっしゃるのではないでしょうか。そうした支援金は確定申告に収入として計上することが必要です。

そういった情報も含めて、今回は、令和3年の確定申告において注意しておきたい収入や控除についてかんたんにチェックしてみたいと思います。

令和3年 確定申告|個人事業主の収入における注意点

冒頭で軽く触れましたが、個人で事業をおこなっている事業主の方で、国や自治体から事業のために受け取った「補助金」や、新型コロナの「支援金」などといった種類の収入はありませんか?

こうした収入がある場合には、確定申告において収入に計上しなければなりません。

忘れないよう注意が必要です。

例えば

  • 緊急事態宣言等にともなって受けた支援金
  • 雇用調整助成金
  • 持続化給付金
  • 家賃支援給付金

などです。

令和3年 確定申告|個人事業主の経費関連の注意点

個人事業主においては、その営む事業に「直接」関連した支出については、「必要経費」として認められます。

その一方で、事業とは直接関連しない支出(主に家事費といいますが)は、業務上の必要経費にはできません。

事業に直接関連する「必要経費」と、直接関連しない個人的な経費である「家事費」について、しっかりと区別しておくことが重要です。

例えば

  • 娯楽のために支出した費用
  • 自分や家族の生活費(家族での外食やスーパーで購入する食費・日用品等)
  • 病院の医療費(経費ではなく「医療費控除」の対象です)
  • 自分の生命保険料(経費ではなく「生命保険料控除」の対象です)

などです。

令和3年 確定申告|仕事とプライベートに共通する経費

例えば、自宅を事業用の店舗として併用して利用している事もあるかと思います。

自宅兼店舗の電気代や水道代などの「光熱費関係」

個人所有の自動車を、一部事業用として利用するときのガソリン代などの「自動車関連費用」

自宅兼店舗を賃貸している場合の「家賃」

などです。

仕事とプライベート両方に共通して使用しているものにかかる費用です。

こうした費用は、原則的には必要経費にはできませんが、業務で必要な部分を合理的な方法によって按分(あんぶん)できると、その事業用部分については必要経費として計上することが可能です。

例えば

  • 家賃、火災保険、減価償却費、固定資産税など ~ 業務で使用する部分の「床面積」や使用時間などで按分
  • 水道代、電気代、インターネット接続料など ~ 使用時間、使用頻度などで按分
  • 自動車、自動車保険、自動車税、車検費用など ~ 業務で使用した部分の「運行記録」をつけて明確にしたうえで按分

などです。

令和3年 確定申告|給与所得者の注意点

給与所得者の場合、原則として年収2000万円以下なら、年末調整で所得税は確定していますので、確定申告の必要はありませんが、2000万円を超える場合には、年末調整の対象外(年末調整できない)となるため、確定申告が必要となります。

また、例えば個人所有の不動産を会社へ貸して「賃料収入」がある場合や、個人資金を会社の運転資金として貸している場合の「貸付金利息」なども確定申告が必要となる収入に含まれますので注意が必要です。


その他で注意したい収入

  • 満期保険金 ~ 一時所得として確定申告が必要になる場合があります
  • 副業による収入 ~ 一般的には雑所得となり、確定申告が必要となる場合があります(インターネットオークションやフリマアプリを利用した売却収入、ビットコインなど仮想通貨の売却収益などが該当します)

令和3年 確定申告|その他の注意点

年末調整では受けられず、確定申告することで受けられる控除がありますので、それについてもご紹介します。

  • 医療費控除 ~ 病院や薬局への支払が、年間で一定の金額を超えると「医療費控除」を受けられる可能性があります。以前は、領収書の添付提出が必須でしたが、現在は、添付や提示の必要はありません。(ただし、5年間の保存が必要です)
  • 雑損控除 ~ 自然災害や火災などで自宅や家財に損害があったとき、または金品、横領などによる金品の損失などがあった場合に雑損控除を受けられる場合があります。