確定申告|はじめての青色申告|知っておきたい3つの条件と4つのメリット!

税務

今回は「青色申告」についての解説です。

青色申告って何?確定申告のシーズンになるとよく耳にするけど今一つよくわからない、というあなた必見です!

はじめて青色申告を使う人は不安かもしれません。でも実は「青色申告」はメリットの塊です!「青色申告のメリット」をお伝えしつつ、深掘りしていきます。

青色申告の概要

確定申告は「申告納税制度」です

確定申告による税金の計算は別名「申告納税制度」と呼ばれています。

「申告納税制度」とは、あなた(納税者)自身が法律に基づいて所得の金額を正しく算出し、納税までするという一連の流れを意味しています。

申告納税には日常の帳簿付けが必須!

所得の金額を正しく算出するためには、日常的に事業の「帳簿付け」が重要です。

売上(収入)や必要経費など、日々の取引状況を正確に帳簿に記録し証拠書類(領収書など)をきちんと保存しておく必要があります。

こうした「毎日の帳簿付けや書類の保存」が正しくおこなれていることを前提として、税金の申告をする人については所得金額の計算などについて有利な取扱いが受けられる場合があります

この制度を「青色申告制度」と言います。

青色申告を受けるための条件3つ!

青色申告を受けるためには、下記3つの条件を満たす必要があります。

所得の種類

まず大前提の第1条件。

所得の種類です。

青色申告はどんな所得の種類でも利用できるわけではありません。

青色申告をすることができる所得は下記3種です。

  • 「不動産所得」~ マンションやアパートの不動産賃貸収入などがある場合
  • 「事業所得」~ 製造業や小売業、サービス業など一般的な個人事業を行う場合
  • 「山林所得」~ 山を所有していて立木の伐採、譲渡などによる収入がある場合(※)

以上3つのうちいずれかの所得がある人です。

したがって

サラリーマンでも、副業で不動産収入があるあなた、青色申告が選択可能です!

※「山林所得」について

「山林所得のみ」では青色申告の対象とならず

事業所得や不動産所得に加えて山林所得がある場合に限り青色申告の対象となります。

申請書の提出が必要!

条件その2は申請書について。

青色申告制度を受けようとする人は、その年の3月15日までに

青色申告承認申請書」 ➡ 申請書PDFはコチラ!(国税庁ホームページ 青色申告制度 より)

上記の書類を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。 しかし、例えば4月に開業した場合はどうでしょうか?締め切りの3月15日を過ぎてしまっています。

ご安心ください。

その年の1月16日以後に新規開始した場合は開始した日から2か月以内に提出すればよいことになっています。

ちなみに新規開業した人は、青色申告承認申請書と一緒に「開業届」も出しましょう。

➡ 開業届のPDFはコチラ! 

国税庁ホームページ [手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続 より

帳簿の作成と保存が肝心!

条件その3は帳簿の作成についてです。

青色申告制度を受けるためには、原則「貸借対照表」と「損益計算書」を作成することができるような帳簿を備えておかなければなりません。

しかし、上記はあくまでも「原則」です。

「現金出納帳」「売掛帳」「買掛帳」「経費帳」「固定資産台帳」以上のような補助簿を備え付け、簡易な記帳をするだけでもよいことになっています。

これらの帳簿書類は、原則7年間保存です。

青色申告のメリット4つ!

では、ここからメリットについて解説します。

青色申告特別控除

1つめのメリットは「特別控除」です。

青色申告を利用している納税者には、

65万円」もしくは「10万円」の特別控除が特典として用意されています!

青色申告特別控除とは、一定の帳簿を作成して確定申告をすれば受けられる特別な控除であり条件によって「65万円控除」と「10万円控除」の2パターンに分かれています。

65万円控除をうけるには

65万円の控除受けるための条件は以下の通りです。

  • 複式簿記による帳簿の作成 = 「貸借対照表」「損益計算書」の作成
  • 発生主義による帳簿であること ➡ 発生主義については当ブログの「現金主義と発生主義(及び実現主義)の違いについて」 コチラでご確認を!
  • 申告期限内に提出
  • 「不動産所得」の場合に「事業的規模」であること(おおむね、集合住宅なら10部屋以上の賃貸貸家なら5軒以上で事業的規模と判定されます)

上記の条件がそろっていない場合に10万円控除となります。

令和2年以降の青色申告特別控除は変わります!

以上の条件は令和元年度の申告までです。

令和2年からが以下のように変わります。

特別控除の種類が「65万円」「55万円」「10万円」の3種類になります。65万円控除はこれまでの条件に加えて「e-Taxによる電子申告」「電子帳簿保存」のどちらかをしていることが要件です。

令和2年以降はご注意ください!

青色事業専従者給与の計上可能

2つ目は青色専従者給与(あおいろせんじゅうしゃきゅうよ)の計上です。

青色専従者(あおいろせんじゅうしゃ)とは、あなたと一緒に事業を行うご家族のことを指していて、そのご家族に対して払う「給料」が経費として計上できる、という制度です。

白色申告にも同じような制度で「事業専従者控除」というものがありますが、こちらは「配偶者で86万円」「その他の親族で50万円」と金額の上限が決められているのに対して、青色申告専従者給与は金額の上限が決められていないため、妥当性のある給料を設定することができます。

※妥当性という点がポイントで、高額すぎる給料だと否認される可能性もありますのでご注意ください。

赤字の繰越し可能

メリットその3は赤字の繰越です。

青色申告している事業者は、赤字になった金額を、翌年以降3年間にわたって各年分の所得金額から差し引くことができます。

これによって、例えば赤字だった次の年に大きく黒字になったときにその黒字額から前年の赤字部分を差し引く事ができるので所得金額を少なくすることができ結果的に税負担の軽減につながります。

大きな節税効果が期待できます。

30万円未満の一括減価償却資産の特例

4つ目のメリットは30万円未満の減価償却資産取得にかかる特例です。

たとえば20万円のパソコンを事業用として購入した場合、普通の処理は「減価償却費」として4年間に渡って費用計上します。

しかし、青色申告事業者には特例があって、30万円未満の減価償却資産を購入した場合は、一括で経費に計上OKという特例です。

これによって、年末ぎりぎりに購入しても20万円まるまる経費に計上できるので節税効果が非常に高いんです!

青色申告一択でお得に節税!

以上の通り、青色申告には大きなメリットがたくさんあります。

帳簿の備え付けが大変とお悩みにのあなたへ、「クラウド会計システム」のご利用をオススメします。

こういったシステム利用で、割と簡単に帳簿が作成できるようになってきています。青色申告65万円控除も決して難しくないですよ!

パソコンとインターネットが使える人なら、クラウド会計システムを導入して、迷わず青色申告を選択しましょう。