勘定科目|費用|あなたの必要経費落とせてますか?

経理

勘定科目「費用」の全体像について

今回は「費用」についてご紹介していきたいと思います。

数ある勘定科目の中で、あなたが最も気になるのが「費用」、つまり「必要経費」ではないでしょうか。

どういう種類の支払が会社(事業)の必要経費として落とせるのだろうか、ということが非常に気になるところだと思います。

また、個人事業主にしても法人にしても、事業を始めたばかりの時が特に費用の考え方について気になるところ、または悩みどころではないでしょうか。

ここでは「費用」の全体像と基本的な考え方について、ゆっくりとご紹介していきたいと思います。

しばしお付き合いくださいませ。

勘定科目「費用」の種類と分類ついて

一口に「費用」「必要経費」といっても、その種類は様々あります。

代表的な勘定科目だけでも、下の一覧図をご覧いただければお分かりの通り、非常に数が多く、種類も多いですよね。つまり、それだけ「必要経費」として計上できる取引が多岐にわたって存在している、という事の裏返しでもあるんですね。

例えば簡単なところでいうと

  • 社長や専務、常務などの取締役に対して支払う「役員報酬」
  • 従業員へ支払う「給料」や「賞与(ボーナスですね)」
  • 取引先との飲食代や接待のためのゴルフ代に代表される「接待交際費」
  • 業務のための出張時の航空券代や電車代を処理する「旅費交通費」

など、会社を運営していく中で発生する様々なシチュエーションごとに、必要経費というのは細かく分類しなければなりません。

それではまず最初に、「費用」分類に該当する代表的な勘定科目がどれくらいあるのかを一覧で確認してみましょう。

代表的な勘定科目は以上の通りです。

実際には、細かい勘定科目(個人事業主特有の科目や製造原価科目等)まで含めると、もっとたくさんあるのですが、ここでは「一般的な中小企業で使用する勘定科目」という前提で、代表的と考えられる、これだけ押さえておけば会社の帳簿は作成できる、という範囲の中で上記のご紹介とさせていただきますのでご容赦くださいませ。

上記図のとおり、費用科目の中に、大きな分類として4種類存在しています。

  • 売上原価(うりあげげんか)
  • 販売費及び一般管理費(はんばいひおよびいっぱんかんりひ)※略して販管費(はんかんひ)
  • 営業外費用(えいぎょうがいひよう)
  • 特別損失(とくべつそんしつ)

それでは下記より、4分類をひとつずつ見ていきましょう。

勘定科目「費用」の核となる分類は「売上原価」

売上原価(うりあげげんか)とは、本業の売上に直接的にかかる費用のことです。

費用の中で最もウエイトを占める部分になると思います。まさに会社の「核」となる費用です。

売上原価に所属する代表的な勘定科目
  • 期首商品棚卸高(きしゅしょうひんたなおろしだか)
  • 仕入高(しいれだか)
  • 仕入値引高(しいれねびきだか)
  • 期末商品棚卸高(きまつしょうひんたなおろしだか)

★売上原価の具体的な内容については下記記事、【勘定科目】売上原価|費用編スピンオフpart1 をご覧ください。

勘定科目「費用」のメインは「販売費及び一般管理費」

販売費(はんばいひ)とは商品や製品を販売するために直接的にかかる費用のことです。

一般管理費(いっぱんかんりひ)とは会社を維持・管理するためにかかる一般的な費用のことです。

一般的にこの2分類は「販売費及び一般管理費」という一つのくくりで目にすること多いので、ここでもひとくくりとしてご紹介しています。

まさにあなたの知りたい「必要経費」という類(たぐい)の勘定科目は、ほぼすべてこの「販売費及び一般管理費」の中に含まれているといっても過言ではないでしょう。

販売費および一般管理費に所属する代表的な勘定科目
  • 役員報酬(やくいんほうしゅう)
  • 給料(きゅうりょう)※給料手当、従業員給料という名称の場合も同じ意味です。
  • 福利厚生費(ふくりこうせいひ)※単に「厚生費」という場合もあり
  • 旅費交通費(りょひこうつうひ)※単に「旅費」という場合もあり
  • 水道光熱費(すいどうこうねつひ)
  • 通信費(つうしんひ)
  • 接待交際費(せったいこうさいひ)※単に「交際費」という場合もあり
  • 雑費     …など

上記ではほんの少しだけ取り上げました。

科目が非常に多いので、この販売費及び一般管理費の詳細については下記記事、【勘定科目】販売費及び一般管理費|費用編スピンオフpart2 にて詳しく解説しておりますので、そちらでご確認ください。

勘定科目「費用」のサブ的分類が「営業外費用」

営業外費用(えいぎょうがいひよう)とは、本業の商売以外のところで発生する費用のことです。

売上原価が本業の商売に直接かかわる「核」となる費用であるのに対して、この営業外費用は、営業外=つまり本業の商売以外で発生する費用を処理する勘定科目となりますので、立場的には「サブ」的分類となります。

営業外費用に所属する代表的な勘定科目
  • 支払利息(しはらいりそく)~ 銀行借入などにかかる利息の支払い分
  • 雑損失(ざっそんしつ) ~ 販管費の費用に含まれれないその他の損失

勘定科目「費用」の中の特殊分類が「特別損失」

特別損失(とくべつそんしつ)とは、その年度だけ臨時的・突発的に発生した費用のことです。

特別損失に所属する代表的な勘定科目
  • 固定資産売却損(こていしさんばいきゃくそん)~ 固定資産を売却した際に発生した差額損失を処理する科目
  • 固定資産除却損(こていしさんじょきゃくそん)~ 固定資産を除却(廃棄処分等)した際に利用する科目

 補足情報

「営業外費用」と「特別損失」の違い

営業外費用も特別損失も、本業の商売以外のところで発生した費用を計上する科目であることが共通点ですが、区別するポイントが「継続性」です。

営業外費用の勘定科目で紹介した「支払利息」についてですが、例えば金融機関から運転資金という名目で、返済期間5年間という約束のもとで資金を借入した場合、毎月返済するごとに、「元金」部分と「利息」部分を合わせて返済していきます。したがって、借入の残高があって毎月返済している期間中は、継続的に発生していく取引です。

営業外費用とは本業と関係のない費用であり、かつ「継続性がある」ものが該当します。

一方、特別損失で取り上げた「固定資産売却損」や「固定資産除却損」という勘定科目は、会社が持っている機械や車両や器具備品などの固定資産を売却して損失が出たとき、あるいは廃棄したときにだけ出現するレア科目です。普段の取引ではあまりお目にかかることはありません。

特別損失とは、本業と関係のない費用であり、突発的にその年度だけに発生するような「継続性のない」取引が該当します。

上記2点の「継続性」という違いを覚えておけば、営業外費用と特別損失の区別に役立つでしょう。

勘定科目「費用」のまとめ

以上が費用科目のご紹介でした。

科目の種類が多いので「売上原価」と「販売費及び一般管理費」ついては別記事に解説記事を作成しています。そのリンクも張っていますので、お気軽にご訪問ください。

性質の異なる勘定科目が多く存在しているのが「費用」であり、その特徴と分類を把握して、必要経費として正しく計上できるよう帳簿作成時にはお気を付けください。