勘定科目|収益|分類の一覧
ここでは収益科目についてご紹介します。
まずは、収益科目の分類と、そこに所属する代表的な勘定科目の一覧をご覧ください。
収益科目は大きく分けて
「営業収益」「営業外収益」「特別利益」の3つに分類されます。それぞれ具体的に見ていきましょう。
勘定科目|収益|営業収益
営業収益(えいぎょうしゅうえき)とは、本業の商売によって得られた収益のことです。
まさに収益のメインであり、収益金額の8割はこの「営業収益」で占められているといっても過言ではありません。
営業収益の金額がどれくらいあるのかによって、儲かったかどうかおおよその見当がつくのではないでしょうか。
まさに、営業収益は「儲けの第1チェックポイント」です。
勘定科目|収益|営業外収益
営業外収益(えいぎょうがいしゅうえき)は、本業の商売以外のところで得られた収益のことです。
営業収益が収益の中のメインであるとしたならば、 この営業外収益が「収益」の2番手、サブ的分類となります。
収益のうち、8割が営業収益だとすると、残りの2割はこの営業外収益と次で紹介する「特別利益」で占められます。
勘定科目|収益|特別利益
特別利益(とくべつりえき)とは、事業を営む中で、その事業年度だけ臨時的・突発的に発生した収益の事です。
特別利益は、通常ではあまり目にすることのない勘定科目が該当します。
営業外収益と特別利益で収益の2割を占める、と上記でご説明したところですが、実際のところは、2割のうちのほとんどが営業外収益であり、特別利益はたまに発生する程度です。(毎年発生するという性質の勘定科目ではありません。詳しくは下の補足情報をご確認下さい。)
補足 営業外収益と特別利益の違い
営業外収益も特別利益も、本業の商売以外で得た収益を計上する科目という点で共通していますが、明確に区別するポイントがあります。
それは「継続性」です。
★営業外収益
営業外収益の中で紹介した勘定科目「雑収入」の中で、一つの例として取り上げた「自販機手数料収入」と「鉄くずスクラップ売却収入」について。
「自販機手数料収入」とは、例えば自社の休憩室に自動販売機を設置して、そこで売れたドリンクの販売本数に応じて自販機設置会社から何%かの手数料的な収入を受け取ることができる仕組みがあります。
この自販機手数料収入は、基本的に自動販売機が設置されていて、一定の販売本数が確保できている限り、継続的に発生する収入です。
「鉄くずスクラップ売却代金」とは、自社で使わなくなった鉄くずなどをまとめてスクラップ業者へ持っていくと買い取ってくれるという仕組みがあります。鉄くずにはその種類や時期によって相場があり、高額な時もあれば安い時もありますが、一定金額で売却可能です。ある程度の量の鉄くずスクラップがたまるまで一定期間は必要なものの、自販機手数料と同様に、継続的に発生することが見込まれる取引です。
つまり
営業外収益とは本業と関係のない収益であり、かつ「継続性」があるもの、が該当します。
★特別利益
一方、特別利益で取り上げた勘定科目「固定資産売却益」は、固定資産を売却して差益が発生した時だけ出現するレア科目です。
例えば、事業用の車を下取りに出して、新しい車両への入れ替えをする際に、車両の帳簿価額と下取り金額との間で、下取り金額のほうが大きくなり、帳簿価額と比べた時に差額の利益が発生する、という事があります。
通常車は買い替えのタイミングが5年前後あると思います。毎週や毎月といった定期的で発生する取引ではありません。
このように、特別利益とは本業と関係の無い収益である点は営業外収益と共通しているものの、その取引自体に「継続性」はなく、突発的にその年度だけ発生するような取引が該当します。
勘定科目|収益|まとめ
以上、収益科目のご紹介でした。
代表的な「売上」という勘定科目以外にも、意外と多種の収益科目があることがお分かりになったかと思います。
勘定科目自体の数は少ないですが、性質の異なる科目がはっきりと区別されていますので、特徴をおさえて混同しないよう帳簿作成の際にはお気を付けください。
はじめに申し上げましたが、儲かったかどうかを読み解く第1チェックポイントがこの「収益」科目です。
営業収益にしても営業外収益にしても、前年、あるいはもっと前、3年分くらいを比較して収益の変化をとらえて、経営判断の材料としてまず一番にチェックしていきましょう。
一定の収益が毎年計上できなければ、そこから利益も生まれませんので、その意味で収益は会社の運営上重要な勘定科目ということになります。